都知事選「どう見ても蓮舫氏の政策ビラ」機関紙で物議 共産党「公約とは書いていない」
東京都知事選(20日告示、7月7日投開票)に出馬表明した立憲民主党の蓮舫参院議員を巡り、共産党都委員会の機関紙の「号外」が物議を醸している。機関紙は蓮舫氏が都知事選に挑戦することを周知する内容だが、紙面には共産が目指す都の政策も盛り込んだ。国民民主党幹部らは、蓮舫氏が発表していない〝公約〟と誤解されかねないと指摘している。 【別カット】共産党が作成した「蓮舫氏のビラ」 機関紙は共産都委の見解を紹介する「東京民報」(発行・東京民報社)の6月号外。一枚紙の裏表に蓮舫氏の写真を掲載し、「都政に挑戦」「つくりましょう。1人ひとりの声がとどく都政を」と訴えている。 さらに裏面の下部には、共産都議団が提案した令和6年度の都の予算組み替え案が掲載された。 明治神宮外苑再開発など「問題ある予算」を削ることで、「全区市町村で小中学校の給食費の無償化」「子どもの国民健康保険料をゼロに」「若い世代への月2万円の家賃補助」「シルバーパスの無料化」などを実現すると明記している。 この機関紙には蓮舫氏の写真が記載されていることなどから、共産都議団が掲げる政策を蓮舫氏の公約と混同してしまうとの見方がある。 国民民主の榛葉賀津也幹事長は7日の記者会見で、機関紙について「蓮舫さんはギリギリまで政策を出さないといっていたが、政策ビラを配っていた。どう見ても蓮舫さんの政策ビラだ。蓮舫さんもこれをやるんだと思ったら、共産党と書いてあった」と強調した。 その上で「蓮舫さんは(共産側に)クレームをつけていないということは、認めているということだ。間違いなくこれは蓮舫さんのビラだ」と皮肉を込めた。 一方、共産都委の担当者は産経新聞の取材に「蓮舫さんの公約とは書いていない。都知事選に対する党都委員会としての立場を書いているだけだ。書いていることをストレートに読んでほしい」と強調した。(奥原慎平)