インパルス板倉「さんまさんになったら大変、僕は僕でいいです」 “諦めるために始めた”お笑い芸人という職業
日テレNEWS
自身初となるエッセー集を執筆した、お笑いコンビ・インパルスの板倉俊之さん(45)にインタビュー。お笑い芸人という職業の意義や、お笑いへのモチベーションについてを聞きました。 【画像】インパルス・板倉俊之さんにインタビュー 板倉さんにとって初となるエッセー集『屋上とライフル』(8月1日発売)。日常で起こる様々な物事がユーモアに富んだ文章で記され、板倉さんが幼少期から現在まで感じてきた、心がモヤモヤとした出来事がつづられています。
■発売まで約5年 初のエッセー本出版
――板倉さんはこれまでも小説などの執筆をされていますが、エッセーの執筆活動はどうでしたか? 今回は、“いつまでに出す”みたいな締め切りがあったわけではなく、半年くらい何もしなかった時期とかもあるので(笑)。たまったら出すっていう話だったので、放置しまくってましたね。
■芸人になるきっかけは「諦めるため」
――エッセーの中では「お笑いが必要のない仕事」というふうに書かれていましたが…。 ほとんどのことがやっぱり意味がないんですよね。たまたまお笑いっていうことが仕事になっちゃう世界なだけで。例えば、原始時代だったらどんなに面白い人でも、“マンモス捕れるやつの方が…”ってなるわけじゃないですか。どんな面白くても。逆に今、めちゃめちゃいい刀を打てる人がいても、合戦がないとそれは売れないじゃないですか。タイミングとかもあるんだろうなって思って。 ――現在はお笑い以外に、小説家、俳優、動画編集など様々なジャンルでも活躍されていますが、芸人になった当初はマルチに活躍する姿は想像していましたか? 全然思ってない、僕は諦めるために(芸人を)始めたんで。 ――諦めるために始めた? お笑いやりたいなって思いながら、普通に働いて家に帰ってテレビつけて“俺やってたらどうなってたんだろう”って思いたくないから、やって、あきらめて、生きるためにお笑いをやったんですよ。 でも、お笑いの養成所ってめちゃめちゃ面白いやつら、学校のトップレベルが集結するところだと思ってたら、そうでもなくて。学校と同じくらいの比率なんですよ、面白いやつも面白くないやつも。で、なんか生き残っちゃったってだけで。なので、別に将来こうなろうっていうのではなくて、スッキリと普通に生きるために始めた感じですね。 ――現在の板倉さんのお笑いをやるモチベーションはなんですか? やっぱり笑い声を浴びるっていう以上の快楽はなかなかないと思っていて。あれを失うのが怖いというか。芸人だけじゃなくて、学校のクラスでなにか言って笑い声が起こると気持ちいいんですよ、誰でも絶対。 それが“もっと強いのくれ!”ってなっちゃって、今度は劇場の何百人の笑い声を浴びたら“もっと強いのくれ!”ってなってるだけな気がするんですよね。だから“人の心を軽くする仕事ですね”って言われちゃうと、ちょっとズキッとくるんですよ。いやそんなところまで見てやってないんだけどなって。