【最低賃金】時給1054円で再び「年収の壁」に悩む扶養内パート。引上げ額は過去最大でも残る課題
最低賃金アップでパート主婦は悲鳴?高い「年収の壁」問題
最低賃金が過去最大の引上げ幅となることから、10月以降は多くの職場で賃金アップが期待されています。 誰にとっても喜ばしいことに思えますが、一部のパート主婦からは悲鳴の声も上がっているのです。 扶養内パートをしている人には、「月(年)での給与の上限額」があります。上限額を超えると自身や配偶者の税金・社会保険料に影響するため、手取り額が逆転してしまう現象があるのです。 いわゆる「年収の壁」が待ち受けているため、今まで調整していた勤務時間や勤務日数を再度調整しないといけなくなるでしょう。 ●10月からは社会保険の適用要件の拡大により「106万円の壁」に悩む主婦が増加 これまでは年収を130万円以下に抑えれば、配偶者の社会保険の扶養に入ることができていました。 この壁を越えてしまうと、パート先の社会保険に加入することになり、給与から毎月社会保険料が天引きされ手取り額が減ってしまうのです。 しかし、一部の企業では「130万円」ではなく「106万円」を超えると社会保険に加入しなければなりません。2022年10月より適用範囲の拡大が進んでおり、2024年10月にも対象事業所が増える予定です。 2022年9月までは従業員数501人以上が適用範囲でしたが、現在は101人以上となっており、さらに2024年10月からは51人以上の勤め先へ拡大します。 上記に該当する勤め先の場合は、下記要件をすべて満たした際に、社会保険の加入対象者となります。 ・週の所定労働時間が20時間以上30時間未満 ・所定内賃金が月額8万000円以上 ・2ヶ月を超える雇用の見込みがある ・学生ではない 事業所の規模によっては「106万円」が壁になる人が多くなるでしょう。 最低賃金がアップすることで「106万円の壁」「130万円の壁」に到達してしまう可能性もあるため、就業時間の調整が発生してしまうのです。