『春になったら』ウエディングプランナー黒沢の安心感 西垣匠がもたらす束の間の“笑い”
『みなと商事コインランドリー』をきっかけにブレイクを果たした西垣匠
そんな愛らしすぎるウエディングプランナー・黒沢を演じている西垣匠は、超特急・草川拓弥の相手役を務めた『みなと商事コインランドリー』(テレビ東京系)をきっかけにブレイクを果たした。2021年にデビューしたばかりで、出演作はそれほど多いわけではないにもかかわらず、「あのドラマにも出てたなぁ」「そういえば、あの映画にも……」とたくさんの作品が思い浮かぶ。調べてみると、1話だけのゲスト出演だったりするのだが、西垣がそれだけ印象に残る演技をしているということだろう。 『みなと商事コインランドリー』の香月は、どちらかと言うと相手を振り回す側の役だったが、『私がヒモを飼うなんて』(TBS系)の森生のように、幼なじみに振り回される犬系男子の役柄もピタッとハマる。TBS“火10”枠のラブコメで、当て馬を演じる姿が見られるのを待ち続けているファンも多いのではないだろうか。 大きな問題を抱えているときって、事情を知らない相手と関わることが心の支えになったりする。「大丈夫?」と心配をされることもない。可哀想だから、と気を遣われることもない。黒沢を見ていると心がラクになるのは、フェアでいられる関係の居心地の良さを再確認させられた“あの”瞬間を、思い出すからかもしれない。 また、「Lily bridal」には黒沢の先輩・舞衣(橋本マナミ)もいるのだが、こちらもいい味を出している。アタフタしている黒沢に対して、いつでもどっしりと構えている舞衣。なにがあっても、「そんなの、よくあることじゃない」とサラリと言ってのける姿がカッコいい。結婚後半年で離婚をしたりと、さまざまな修羅場をすり抜けてきたからこそ説得力がある舞衣の名言にも、ぜひ注目してほしい。
菜本かな