短大卒業後、25歳で結婚し専業主婦です。会社員として「5年」ほどしか働いていないなら、年金額は少ないですか? 夫が年収「700万円」ですが、老後は年金だけでも生活できるでしょうか?
老齢年金の計算方法は複雑で、年金受給額などを知りたいけれどねんきん定期便は見ていないとの声もよく聞かれます。 本記事では、年収700万円の夫と結婚後専業主婦の夫婦が65歳以降にどれくらいの老齢年金を受給できるのか解説します。また、この夫婦の老齢年金額の場合どの程度の生活水準で老後を過ごせるのか、データをもとに検証します。
厚生年金の加入期間が短くても受給できる
老齢基礎年金の受給資格がある人が厚生年金に1ヶ月でも加入していた期間があると、上乗せで老齢厚生年金を受け取れます。そのため、短大卒業後に5年間を会社員として厚生年金保険料を支払っていた妻は、老齢厚生年金を受け取れます。 ■厚生年金の目安を確認 老齢基礎年金の満額は67歳以下の人の場合、令和5年度現在79万5000円です。この金額に厚生年金保険料を支払った期間と収入によって計算した老齢厚生年金の金額が上乗せされます。 厚生年金保険の加入期間が2003年3月までと2003年4月以降で、計算方法が異なります。老齢基礎年金に上乗せになる老齢厚生年金の受給額は、図表1の早見表を参考にしてください。 図表1
日本年金機構 報酬比例部分の計算式より筆者作成 ■年収700万円の夫と結婚後専業主婦の年金額をシミュレーション 夫が年収700万円、妻が短大を卒業してから5年間のみ会社員として働いていたときの、65歳以降の夫婦の老齢年金受給額をシミュレーションしてみます。条件は次のように設定しました。 ●夫:現在60歳(23~34歳:年収500万円・35~60歳:年収700万円・61~65歳:年収400万円の予定) ●妻:現在58歳(20~24歳:年収300万円・25~59歳:専業主婦) 夫婦とも老齢基礎年金を満額受給できると想定すると、65歳以降の老齢年金受給額はおおむね次のようになります。 ●夫:79万5000円(老齢基礎年金)+136万5000円(老齢厚生年金)=216万円 ●妻:79万5000円(老齢基礎年金)+8万5000円(老齢厚生年金)=88万円 夫婦合わせると216万円+88万円=304万円となり、月あたり約25万円の老齢年金を受給できます。