上方落語の次世代スター応援 神戸新開地「喜楽館アワード」12月15日に決勝
昨年始まった神戸新開地・喜楽館(神戸市兵庫区)の落語コンテスト「喜楽館アワード2024」の決勝が12月15日、同館で開かれる。ABCラジオと連携し、ファン投票で王者を決める。9日からはファイナリスト5人が本番さながらに演じる特別ウイークが始まり、勝負の行方を予想する熱い1週間となる。(津田和納) 【写真】すべて猫が登場する「すべらニャイ話」!?…猫好き落語家らが「猫の日落語会」 みんな大笑いニャン 上方落語界の次世代スターを応援しようと、同館が入門16~25年目の噺(はなし)家を対象に企画。山本憲吾マネジャーは「2018年の開館以来の夢だった。賞によって新開地、喜楽館の知名度が上がった」と話す。23年4月に同ラジオのアナウンサー伊藤史隆さんが支配人になり、構想が実現した。 他にないコンテストにしようと、ファンを「審査員」に。ラジオ番組やSNSと連動し、会場の観客のほか全国のリスナーがウェブから投票できるようにした。賞金はファンの寄付でまかない、初代王者の桂雀太には109万500円が贈られた。地元企業からも副賞提供に支援を受ける。 今年は10月上旬に4日間の予選が実施され、24人が出場。ファイナリストは、各日1位だった桂ちょうば、林家染吉、桂佐ん吉、笑福亭鉄瓶のほか、2位の中から得票率がトップだった桂三四郎となった。 佐ん吉は「去年はビギナーも多い雰囲気だったが、今年は大会名が知れ、通の注目度が高まっている気がする」と話す。江戸落語の「妻の酒」を披露した予選に「人がやらないネタをやり、自分らしさで勝負した」と振り返る。 来春に襲名を控える、ちょうばは「師匠(故桂ざこば)につけてもらった名前で出る最後の一戦。優勝という最高の形で『米之助』になりたい」と意気込む。 三四郎は、入門15年目までを対象にした賞レースは多いものの真打ち制度のない上方に「ハリがないというか、何を目標にしたらいいのかとポカンとしてしまう時がある。勝負で緊張感が生まれ、ドラマができる」と語る。伊藤支配人も「神戸からニューリーダーを選び、育てていくような大会になっていけば」と話す。 特別ウイークは午後2時開演、2300円。決勝は同6時開演、4千円。同館TEL078・335・7088