田代まさし容疑者逮捕 過去語っていた売人の巧妙な手口
元タレントの田代まさし容疑者(63)が6日、覚せい剤取締法違反(所持)の疑いで宮城県警に現行犯逮捕されたニュースは芸能界にショックを走らせている。薬物による逮捕は5度目となり、2度の服役経験がある田代容疑者。2014年7月に出所後は、薬物をやめたい人のサポートとケアをするリハビリ施設「DARC(ダルク)」に団体職員として勤務したり、講演やテレビ番組などで「薬物依存症」の危険性を訴える活動を展開していただけに、田代容疑者を応援していた人々のショックは大きい。
握手会でファン装い巧妙にすり寄る売人
「一部容疑を否認しているとの報道もあり軽々なことは言えませんが、覚せい剤に関してはどんなに『やめたい』と意思を強く持とうとしても再犯率が高いといわれます。細胞レベルまで薬に乗っ取られてしまうようなイメージだ、という専門家もいます。身近にパーフェクトにサポートできる人や環境がないと、やめることも治療も難しいのですが、繰り返すうちにはそういう人もいなくなってしまう。芸能人の場合は売人も必死ですり寄ってきますから、一度でも手を出してしまうとその後の人生がボロボロになりますよ」と話すのは、週刊誌の50代男性編集者。 筆者は田代容疑者が1度目の懲役を終えて満期出所した翌年の2009年、芸能サイトのネット放送出演時に収録現場に居合わせたことがある。挨拶を交わしたときの印象としては感じの良い人ではあるのだが、芸能人的なオーラは感じられず、どこか気が小さそうで、こちらが恐縮してしまうほど低姿勢だった記憶がある。すっかり自信を喪失してしまっていたのだろうか。そのときの弱々しい印象があるだけに、また翌年の2010年に田代容疑者が薬物で逮捕されたときは、同情してはいけないものの、何か抗いがたいものがあったのかなと、ただただ残念だった。 「2010年のときは、春先に開いた握手会に薬物の売人が客を装ってやってきて、握手する際に『心中お察しします』と覚せい剤の入ったパケと呼ばれる袋を手渡されたと本人が後日、番組などで明かしています。使うまいと思っていても、1回だけなら、と使ってしまう。連絡先のメモも渡されているので、連絡してしまう、という悪循環に陥る。あの手この手で巧妙に関係を作ろうとする売人側を取り締まらないと、どうにもならない問題です」と話すのは、スポーツ紙の50代男性記者だ。 一部容疑を否認しているという報道もあり、今後の推移を注視していきたい。 (文・志和浩司)