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『オッペンハイマー』は歴史認識の帰結ではない
『インターステラー』や『ダークナイト』などで知られるクリストファー・ノーラン監督による映画『オッペンハイマー』は、理論物理学者であり世界で初めて原子爆弾を開発したロバート・オッペンハイマーの半生を描いた伝記映画です。本作は、批評家・観客どちらにも評価され、第96回アカデミー賞では作品賞や監督賞などを受賞しました。 「原子爆弾を開発した男の物語」がセンシティブな題材であることは間違いありませんが、日本人にとっても原子爆弾の脅威と歴史を改めて認識する意味で価値のある作品でしょう。 この作品は、ロバート・オッペンハイマーが学生時代から妻との出会いや原子爆弾の開発へとその半生を振り返るようなストーリーで、その上映時間は3時間ちょうどです。これでもかと詰め込んだオッペンハイマーの栄光と凋落、そして彼の心情を丁寧に描き、感情が次第に変化していく様は本当に見事なものと思えました。一方で、時代がめくるめく変化していき、ときに時系列もズレるような構成は少し複雑。注視する必要があるといえます。 『オッペンハイマー』は、素晴らしい作品であることは間違いなく、そして原子爆弾に対する認識についても一貫した姿勢を示しているはずです。そしてこの映画は、これ自体が帰結ではなく、ここで語られた物語を観てどのように事実を認識して、どういった歴史があったのかを考えるためのもののように感じます。また、今も世界で戦火が広がっていることも認識して知らなければならない、とそんな風に思いました。 『オッペンハイマー』は記事公開時点で、TOHOシネマズ 新宿、グランドシネマサンシャイン 池袋、横浜ブルク13などにて公開中です。上映情報は公式のこちらをご確認ください。 詳しくはこちら↓
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