19センバツ星稜 第2部・頂点への戦力チェック/4 好打撃、堅守の内野手 /石川
<第91回選抜高校野球> 内野は一塁の福本陽生選手(2年)に加え三遊間を組む知田爽汰、内山壮真の両1年生選手と打撃自慢がそろう。勝負強さ、長打力を兼ね備える福本選手は昨春以降の不振を脱却。知田、内山両選手の躍動を下支えする。守備では秋の公式戦全13試合で失策ゼロの二塁・山本伊織選手(2年)がチームを引き締める。 新チーム発足以降、内野は正選手が完全に固定されていたため、控え選手は自身の長所をアピールして、林和成監督(43)の選択肢を増やしたい。星稜中時代に4番を張った大高正寛選手(2年)は1発で試合の局面を変えられる。新保温己選手(同)、高木宏望選手(1年)は小技のきくタイプ。守備位置を問わない働きも期待されている。 ◇心を磨いて、遊撃練習に注力 高木宏望選手(1年) ユニホームに付ける予定の背番号18は、「ぎりぎりメンバーに入ることができた」と自らの立場を痛感するものになった。 昨秋の県大会では、背番号7を付けて初戦の2回戦で先発出場したが、2打数無安打で途中交代。外野では定位置をつかめなかった。以降は星稜中から慣れ親しんだ内野に専念している。注力しているのは遊撃の守備練習。「二、三塁だけでなく外野と、いろんな動きにつながっていく」。高校時代は遊撃手で甲子園に出場した林監督の助言をかみしめながら、スローイングの際の体重移動を改良している。 「ミスをすると次のプレーを考えることができないことがある」と、弱気が顔をのぞかせることも課題だった。そんな時に言い聞かせるのは、アーティスティックスイミング日本代表の井村雅代ヘッドコーチの言葉だという。中学3年時に参加した講演会で、井村さんが強調したのは「心の才能」を磨く必要性。失敗した時に腐ったりしない--。自分と向き合うことこそが成長の近道だ。 ◇長所伸ばし、隙のない守りを 新保温己選手(2年) 新チーム発足後は秋の県大会からベンチ入りしてきたが、グラウンドでプレーすることはなかった。甲子園のメンバーに選ばれても「まだ戦力としてチームに貢献できていない」。複雑な思いを払拭(ふっしょく)するため、長所を伸ばそうともがく。 小学3年で野球を始めて以来、捕手に外野手、中学3年からは内野手を経験。どこでも守れる器用さがある一方で、「すべてにおいて平均」と、自己評価は厳しい。目指すは、隙(すき)のない守り。捕球時に腰高になる悪癖を克服しようと、正しい動作を体にたたき込んでいる。 165センチ、63キロの体は、チームでひときわ小柄だ。あこがれは米大リーグのホセ・アルトゥーベ選手(28)=アストロズ。170センチに満たない身長で屈強な選手と渡り合い首位打者を3度獲得しているスターに思いをはせながら、自らの役割を見定めている。【岩壁峻】 ……………………………………………………………………………………………………… 選手 試合 打 安 打率 福本陽生(2年)13 39 14 .359 山本伊織(2年)13 48 9 .188 知田爽汰(1年)13 49 15 .306 内山壮真(1年)13 49 17 .347 新保温己(2年)(出場なし) 大高正寛(2年)(出場なし) 高木宏望(1年) 1 2 0 .000 ※記録は昨秋の公式戦。打は打数、安は安打