櫻井海音、綱啓永、莉子、鞘師里保 2024年“大ブレイク期待”の俳優たち
櫻井海音
前置きがかなり長くなってしまったが、2024年に活躍を期待する俳優としてまず挙げたいのが、この『君に届け』と『アオハライド』の両作品に出演した櫻井海音である。前者では真田龍役、後者では馬渕洸役と、クールに振る舞う不器用な青年の役がよくハマる。もとより“キラキラ映画”界隈では異なる複数の作品でステップアップしていくことがよくあり、男性俳優の場合は友人役やかませ犬ポジションからヒロインの相手役へ、女優の場合は親友役からヒロインへと進み、そのまま大きな飛躍を遂げるパターンも少なくない。櫻井の場合は1年足らずの間に、新たな潮流となりつつある“キラキラドラマ”でそれをやってのけたことになる。 また、10月期に放送されていたテレビ朝日系の『泥濘の食卓』でもメインキャストの一角を務め、その前のクールには社会現象と化したTBS系日曜劇場『VIVANT』で堺雅人演じる乃木憂助の青年期を演じている。このようにすでにどの世代にも向けた名刺代わりになる作品があるとなれば、ブレイクするだけの下地は充分に整っているといえよう。あとは大きな決め手となる作品が来るのを待つだけだ。
綱啓永
これまで“キラキラ映画”が多くの若手俳優たちのブレイクの足がかりとなってきたように、近年ではその役割を恋愛リアリティ番組が果たしている。櫻井も『オオカミくんには騙されない』のSeason8に出演し、その後俳優としての活動を本格的にスタートしており、やはり『オオカミ』シリーズは注目すべき若手俳優たちの宝庫というわけだ。次に挙げたいのは、そのシリーズのSeason9『恋とオオカミには騙されない』に出演していた綱啓永。彼もまた非常に興味をそそられる俳優のひとりだ。 綱の場合は『オオカミ』シリーズの前に、若手俳優の登竜門としてお馴染みの「スーパー戦隊シリーズ」を経験。2023年7月期に放送されていたフジテレビ系列の『ばらかもん』では杉野遥亮演じる主人公が島で出会う高校生で、終盤では料理の道へと進む決意を固める木戸浩志役を好演。なんといっても11月からTBS系の「ドラマストリーム」枠で放送されていた『恋愛のすゝめ』で証明したように、コテコテに三枚目の喜劇演技ができるのは強い。先述した『恋わずらいのエリー』ではヤンキーっぽい優等生の高城礼雄役を演じるようで、どんな演技を見せてくれるのか楽しみにしておきたい。