プーチン大統領 プリゴジン氏に言及 “哀悼の意”も…「人生で重大な過ちを犯した」
ロシアのプーチン大統領は「ワグネル」の創設者プリゴジン氏について「死亡した」との見方を示しました。また、ロシアメディアによると「ワグネル」は、プリゴジン氏ら幹部が死亡した場合の行動計画を、以前から策定していたといいます。 ◇ プリゴジン氏は、かつて“プーチンの料理人”と呼ばれ、その後、ロシアの民間軍事会社「ワグネル」を創設し、ウクライナ侵攻でロシア軍に協力してきました。長年にわたり、2人は親交を深めてきました。 プーチン大統領(ロシア・モスクワ 24日) 「私はプリゴジンを非常に長い間、1990年代初頭から知っていた。彼は才能ある人物であり、才能あるビジネスマンだった」 時折、言葉をつまらせ、神妙な面持ちでプリゴジン氏の功績を語ったプーチン大統領。ただ、次のようにも語りました。 プーチン大統領(ロシア・モスクワ 24日) 「彼は複雑な運命を背負った男で、人生で重大な過ちを犯した」 ◇ 「ほら見て、落ちてくる」 23日、ロシア・トベリ州の上空で突如、煙をあげ飛行機が墜落しました。 ロシアの非常事態省などによると、墜落したのはプリゴジン氏が所有していた飛行機です。実際にプリゴジン氏が乗っていたかはわかっていませんが、10人が死亡しました。複数のアメリカメディアは、機内に仕掛けられた爆発物が爆発したことで、墜落した可能性があると報じています。 プーチン大統領は公の場で、飛行機墜落について初めて触れました。 プーチン大統領(ロシア・モスクワ 24日) 「まず第一に、全ての犠牲者の家族に心から哀悼の意を表したい」 「哀悼の意」という言葉を用い、プリゴジン氏らが死亡したとの見方を示しました。 プーチン大統領(ロシア・モスクワ 24日) 「ウクライナと戦うという我々共通の大義に、多大な貢献をしてくれたことを記しておきたい。私たちは忘れることはないだろう」 悲しみと感謝を述べましたが、ウクライナ侵攻が長引く中、2人の関係には溝が生じていました。 ウクライナのゼレンスキー大統領は24日、自国の関与を否定した上で「誰が関係しているのか、誰もが気づいている」と話しました。 ◇ 専門家も次のように指摘します。 ロシア政治に詳しい廣瀬陽子教授 「間違いなくプーチン大統領の指示ではないか。(プーチン氏は)「助けてもらったな」とか長年の思いはあると思う。いろいろな感情はあっても最後は許せない対象。(プリゴジン氏を)悪者にするような態度をとってしまうと、プーチン氏の人格に対しての疑問が出る可能性がある。国民向けのアピールもあったのではないか。(メッセージは)全て本音だったと思う」 ロシア国内で、一定の人気があったというプリゴジン氏。墜落後、モスクワ市内には追悼スペースが設けられ、涙を流す人もいました。 献花した人(日本時間午後4時半ごろ) 「(プリゴジンは)ロシアの英雄だ。非常に残念だし尊敬している」 ロシアメディア「リドフカ」によると、「ワグネル」はプリゴジン氏ら幹部が死亡した場合の行動計画を、以前から策定していたといいます。命が狙われる危険を感じていたのでしょうか。 ワグネルの計画は、死亡が確認されればすぐに実行されるといいますが、具体的に何が行われるのかはわからないということです。