英スコットランド「独立」ってどういうこと? 2014年9月に住民投票
実際に独立する可能性は?
サモンド首相が示した「白書」では、英国君主を国家元首とし、通貨ポンドも用い続けること、さらにEU(ヨーロッパ連合)やNATO(北大西洋条約機構)に残ることが明示されています。一方、独自の軍隊も保有するとされ、英軍の核ミサイルは配備中止を言明。経済的な裏付けとしては、1960年代から開発が進んでいる北海油田が有望視されています。「白書」によると、政府歳入の90パーセント以上は、領海内の油田・ガス田からの収入と見込まれています。 ただし、スコットランドでの世論調査では、独立に賛成する人は約30~40パーセント。一方、反対は50パーセントを上回っています。この背景には、英国政府がポンドの共通使用に消極的なことなどへの懸念があります。 世界金融危機以降、英国でも社会保障の削減など市民生活に大きな影響が出ています。もともと、スコットランドでは労働党の勢力が大きく、2011年スコットランド議会選挙の結果は、ロンドンの労働党政権への批判を反映したものでした。スコットランド国民党の議席が増えたことは、必ずしも独立志向が拡大したことを意味しないため、住民投票で独立が採択される可能性は高くないといえるでしょう。