有田工、センバツ初出場 コロナが影を落とす陶芸の町に吉報
第94回選抜高校野球大会の選考委員会が28日、オンラインで開かれた。有田工(佐賀)は創部122年で初めてのセンバツ。代表決定を伝えられ、主将の上原風雅(2年)は「本当に甲子園への切符をつかんだと実感が湧いてきた」と喜びをかみしめた。 【あのドラ1も】昨年センバツからプロの扉開いた選手たち 学校がある佐賀県有田町は有田焼の産地で、同校セラミック科で陶芸を学ぶ生徒も多い。しかし、全国有数の焼き物市「有田陶器市」が新型コロナウイルスの影響で2020、21年と続けて中止に。暗い影を落とす中での吉報に町全体が沸いた。 「コロナ禍で暗い状況だが、高校生らしいはつらつとしたプレーで地元に元気を与えたい」。上原の表情が引き締まった。 ◇ 有田工の甲子園出場歴は、2013年夏の1回のみ。しかし近年は進境著しく、県大会上位の常連だった。昨秋の県大会は準優勝だったものの、60年ぶりに出場した九州大会ではエースの塚本が1回戦と準々決勝で連続完封。九州4強の立役者になり、初のセンバツをたぐり寄せた。 待ちに待った吉報。マスク姿の選手らは大声で喜ぶのを我慢し、静かに拳を握りしめた。県立校で、全員が近隣の地元中出身。学年に関係なく声をかけ合えるチームワークが強みだ。上原は「一致団結して、甲子園で1勝できるよう頑張りたい」と大舞台での躍進を誓った。【井土映美】 ◇全31試合を動画中継 公式サイト「センバツLIVE!」(https://mainichi.jp/koshien/senbatsu/2022)では、大会期間中、全31試合を中継します。また、「スポーツナビ」(https://baseball.yahoo.co.jp/senbatsu)でも展開します。出場決定号外はデジタル紙面でご覧いただけます。