メニューは児童の要望の「カレーライス」

4カ月ぶりの給食再開に「おいしい」の笑顔がはじけた（1日、石川県輪島市で）

　1月の能登半島地震で大きな被害を受けた石川県輪島市で1日、4カ月ぶりに学校給食が再開された。被災地に響く復興のつち音に、児童の元気な「いただきます」が重なった。 【画像】この日の献立 　1200年以上の歴史を持つ「輪島朝市」から車で5分。市内六つの小学校が間借りする市立輪島中学校に正午ごろ、再開した給食調理室から食缶が届いた。メニューはカレーライス。校舎は甘い香りに包まれ、児童は各教室で使い捨てのプラスチック容器いっぱいに白いご飯とカレーを盛り付けた。 　ひときわうれしそうなのは三井小6年の正武田茉織さん（11）。「久しぶりに給食を食べられてうれしい。みんなで食べるからおいしい」。この日は、カレーライスの他、牛乳と大根サラダの3品。献立を考えた鳳至小の栄養教諭、飯田千裕さん（36）は「『給食が再開したらカレーがいい』と子どもたちから要望があった。1口目の『うまい！』が聞けてなによりうれしい」と破顔した。 　最大震度7を観測した同市は、五つある給食施設が損傷。校舎が無事だった学校も避難所となり、一部の小中学校で登校が再開したのは1月下旬だった。だが、給食は作れず、3学期が始まった2月以降、石川、宮城、三重、熊本の4県のボランティアが市外で調理した弁当の提供を続けた。市教育委員会は4月下旬、給食施設3カ所の復旧を終え、給食の再開を決めた。 　6小学校の児童380人は、市内に建設中の仮設校舎が完成するまで輪島中の空き教室で学ぶ。つかの間の大所帯となった校舎で、温かい給食を食べる。