台風10号さらに勢力強めきょう28日夜、県本土を暴風域に 121カ所で避難所開設、奄美市などに避難指示発令 線状降水帯発生の恐れ、猛烈な風にも警戒を
非常に強い台風10号は27日、奄美地方北部を暴風域に巻き込みながらゆっくりと西へ進んだ。勢力を維持したまま県本土に接近し、種子島・屋久島は28日朝、県本土は28日夜はじめに暴風域に入る見込み。鹿児島地方気象台は28日夜にかけ、県内で線状降水帯が発生する可能性があると発表した。 【写真】台風10号の予想進路
台風10号は時速10キロ以下のゆっくりとした速さが特徴。海上でさらに勢力が強まり、県内では30日ごろにかけて猛烈な風と雨が長時間続く恐れがある。県本土への最接近は29日と予想される。 海上はうねりを伴った猛烈なしけとなり、離島便は軒並み欠航した。喜界町では最大瞬間風速44.2メートルを観測した。九州電力によると27日午後11時現在、同町の99.8%にあたる4850戸をはじめ、奄美市、龍郷町、大和村の計1万1140戸が停電した。 県が午後3時に設置した災害対策本部によると、121カ所に避難所が開設され、162世帯227人が避難した。奄美市や十島村、大和村、宇検村は避難指示を発令した。 台風10号は27日午後9時現在、奄美市の東北東約80キロでほとんど停滞した。中心気圧は940ヘクトパスカル、中心付近の最大風速は45メートル、最大瞬間風速は65メートルで中心から半径110キロ以内が風速25メートル以上の暴風域。
十島村などでは家屋が倒壊する恐れもある猛烈な風が吹くと予想される。28日に予想される最大風速(最大瞬間風速)は奄美50メートル(70メートル)、種子・屋久45メートル(65メートル)、県本土12メートル(25メートル)。波の高さは奄美と種子・屋久10メートル、県本土は8メートルと見込まれ、いずれもうねりを伴う。 28日に予想される1時間雨量は多い所で60ミリ。28日午後6時までの24時間予想雨量は多い所で、奄美400ミリ、種子・屋久300ミリ、大隅200ミリ、薩摩150ミリ。線状降水帯が発生した場合、局地的にさらに雨量が増え、危険度が急激に高まる恐れがある。
南日本新聞 | 鹿児島