親子３人が逮捕・起訴されたすすきののホテル殺人事件で、母親の６回目の裁判が開かれました。 法廷には証人として父親の修被告が出廷し、検察側からの証人尋問に対して「覚えていない」などと繰り返す様子が見られました。 （検察）「（犯行当日）自宅を出発したのは？」 （修被告）「正直、あまり覚えていない」 （検察）「午後１０時３０分ごろでは？」 （修被告）「書いてあるならそうかもしれないが、細かいことは覚えていない」 （検察）「このとき普段使っているスマートフォンは持っていかなかった？」 （修被告）「覚えていない」 ２０２４年１１月２０日に初めて行われた、検察側からの田村修被告への証人尋問。 時折、口調が強くなる場面や「覚えていない」などと繰り返す様子が見られました。 ２０２３年７月、札幌・すすきののホテル客室から６２歳の男性の遺体が頭部のない状態で見つかった事件では、田村瑠奈被告と父親の修被告、母親の浩子被告の一家３人が逮捕・起訴されています。 このうち、死体遺棄ほう助などの罪に問われている浩子被告の６回目の裁判が２０日午前１１時から始まりました。 これまでの裁判で、浩子被告は「手助けするつもりは全くなかった」などと起訴内容を否認し、弁護側は無罪を主張しています。 ２０日の裁判では証人として父親の修被告が出廷し、初めて検察側からの証人尋問が行われました。 （修被告）「家に帰って来た時に（瑠奈被告から）首を拾ったと言われた。唐突に言われ、「え？」って感じで何を言っているのかわからなかった」 （検察）「誰のだと思った？」 （修被告）「その時点で思うのは被害者のだと。ただ半信半疑だったと思う」 （検察）「（瑠奈被告が）殺害したとは少しも思わなかった？」 （修被告）「ゼロではないと思ったが高いパーセントでもない」 検察側から問われた事件前後の状況。 「分からない」「記憶にない」などと修被告は返答を繰り返し、その様子を浩子被告は静かに見つめていました。 元検察官で刑事裁判に詳しい中村弁護士は、検察側の狙いは浩子被告の話の信憑性を崩そうとしていると指摘します。 （シティ総合法律事務所　中村浩士弁護士）「なぜ修被告が知っていることを浩子被告が知らないか、浩子被告に黙ってそんなことを修被告が実行していくのか。浩子被告の説明内容が信用できない。やはり当初より殺害計画に薄々少なくとも気づいていたんじゃないかということを印象づけようという」 ６回目となり、佳境に入りつつある浩子被告の裁判。 裁判は夕方ごろまで続く見込みです。