櫻井よしこ氏、憲法改正「一歩踏み出さねば」「首相の言葉と意思を信じよう」
ジャーナリストの櫻井よしこ氏は4日、自身が主宰するインターネット番組「言論テレビ」で、保守の活動家にも憲法改正に向けた温度差が生じているとして「国柄を体現する憲法をつくりたいのは同じだ」と述べた。また、桜井氏は改憲の実現に関して「いろいろなところで妥協しないといけない。一歩を踏み出さないと何も始まらない」と一致結束を呼び掛けた。9月の任期中の憲法改正の実現を唱える岸田文雄首相(自民党総裁)について「やることをやってきている。岸田さんの言葉と意思を信じ、とにかく背中を押すことが大事だ」と強調した。要旨は以下の通り。 【表で見る】憲法改正を阻む懸念材料 ■「憲法改正は1回限りではない」 (3日に改憲派集会の)「公開憲法フォーラム」が開かれ、私は主催者の1人。(会場となった)永田町に多くの人が全国から集まった。会場の向かい側に何十人もの人が旗を立てていた。よくよく耳を澄ますと、私の名前が出てくる。「櫻井よしこは保守を装う亡国反日の輩だ」ということを大きな声で拡声器で話しているわけだ。(彼ら彼女らも)憲法改正を目指している。同じ方向を向いている私のことを「反日で亡国」というのはどういうことなのか。さっぱり論旨が分からない。 本当に完璧な憲法改正を求めているのだと思う。思いは皆さん同じですよね。もう何十年ぶりに進駐軍から与えられた憲法を改正するのだから。根本からわが国の憲法を改正して、美しい日本の国柄を体現するような憲法をつくりたいと思うのは私も全く同じだ。けれども憲法改正には国会議員の3分の2の賛成を経て、発議して国民投票にかける。3分の2を得るためには、色々な所で妥協しなければならない。 その妥協のプロセスがずっと安倍晋三首相(当時)の時からずっと続いてきた。私もあまりにも悔しくて涙を流したこともある。けれども、これからの長い日本国の未来を考えると、この第一歩を踏み出さなければ何も始まらない。妥協策であると分かっていながら、とにかく踏み出しましょう。「最初から完璧なものをやれ」。その気持ちは分かるが、「あなたがやってみてくださいね」と言われたらやれないと思う。 「亡国、反日の人間」と呼ぶのは結構だが、それをいったからといって何も進まないことを自覚しないと何のために憲法改正の運動をやっているのか分からない。私たちが目指す憲法改正はこれ1回限りではない。2回、3回、4回と続けていかないといけない長い長いプロセスだろうと思う。