センバツ出場・京都外大西のエース、投手異例の木製バットを使用!そのワケは……【24年夏・京都大会】
<第106回全国高等学校野球選手権京都大会:京都外大西7-3立命館>18日◇4回戦◇わかさスタジアム京都 【トーナメント表】京都大会 18日までの結果一覧 春夏連続で甲子園出場を目指す京都外大西が8強入り。9安打7得点と効率の良い攻撃を見せた。 エース左腕の田中 遙音(3年)は7回を投げて、6安打3四球で3失点(自責点1)。「球が抜けて、左バッターの内角にシュート回転したボールが続いていた」と本調子ではなかったが、失点したイニングは全て最少失点に留めた。 3失点のうち、2失点は味方の失策絡み。「春だったら、エラーで自分がイライラして、大量失点につながるんですけど、味方がエラーしたら、『自分がカバーするぞ!』という感覚で投げていたので、それが最少失点につながったと思います」と苦しい投球の中にも成長した姿を見せた。 この試合で驚いたのは田中が打席で木製バットを使用していたことである。今年に新基準バットが導入されたからは卒業後を見据えて木製バットを使用する打者が増えているが、投手が木製バットを使用するのは珍しい。 フリー打撃で木製バットを使用した際に「木製の方がジャストミートした時は飛ぶ」と感じて、この夏は木製バットを使うことを決めた。しかし、ここまでの3試合は無安打に終わり、「そう甘くはないなと思いました」と準々決勝からは金属バットに持ち変える予定だ。 大学野球では東京六大学リーグと関西学生リーグ以外のリーグ戦でDH制が採用されており、社会人野球も公式戦では基本的にDH制がある。将来的なことを考えても高校生投手が木製バットを使うメリットはあまり感じないが、これからのことについて聞いてみると、次のように答えてくれた。 「バッティングは好きなので、大学でも外野をやりたいです。矢澤宏太選手(日本ハム)を理想にしつつ軸はピッチングで頑張りたいなと思います。ピッチャー一本だと肘とかを怪我した時に何もできなくなるので、『外野も守れますよ』となれるようにしたいです。近本光司選手(阪神)も高校までピッチャーをやっていましたし、そういうこともあるかもしれない。バッティングからピッチングのことを学んだり、ピッチングからバッティングのことを学んだりということをやっているので、両方疎かにしないようにしています」 大学での二刀流プランを明かしてくれた田中。この夏はまだ安打が出ていないが、本来は中軸を打てる打力があり、準々決勝以降は投打に渡る活躍が期待される。 「自分ができるマックスのピッチングをして甲子園に行けたら良いなと思います」と今後の抱負を語った田中。14年ぶりの夏の甲子園出場に向けて奮闘するつもりだ。