/18 第69回大会(1997年) ダブルエース躍動、天理初V
1997(平成9)年の第69回大会は、国際化に対応するため、審判のボールカウントのコールが従来とは逆の「ボール・ストライク」の順に変更された。また、雨天の影響で日程が4日間延び、決勝も雨に備え、試合開始を午後0時半から午前10時に史上初めて繰り上げた。 その決勝で対戦したのが、16回目の出場の天理(奈良)と、26回目の出場の中京大中京(愛知)。初の決勝進出を果たした天理が過去優勝4回の中京大中京を破り、奈良県勢として初めて春の甲子園を制した。 天理は、変化球を駆使する左腕・小南浩史投手、速球派の右腕・長崎伸一投手のダブルエースの活躍で勝ち上がった。1回戦を小南投手から長崎投手への継投で勝った後、2回戦は小南投手が完封、準々決勝は長崎投手が完投、準決勝は小南投手が完投した。 決勝で先発した長崎投手は疲労を隠せなかったが、緩急を付けた投球で中京大中京から11三振を奪い、1失点で乗り切った。1点リードで迎えた六回無死二塁のピンチに、絶妙の二塁けん制球で走者を刺したプレーも大きかった。攻撃では、二回に長崎投手の三塁打を足掛かりに先制。七回には芦硲太輔内野手の2点適時打で突き放すなど、そつがなかった。 優勝した天理の他にも、4強の上宮(大阪)、報徳学園(兵庫)なども複数投手が交互に先発、あるいは継投起用され、複数投手制の利点がクローズアップされた。=つづく ……………………………………………………………………………………………………… ▽決勝 天理 010100200=4 000010000=1 中京大中京