「南信州」ナンバー あの伝統工芸品が南アルプスや天竜川を描き出すデザインに 住民の投票で次点に大差
長野県の南信州広域連合は17日、新たに導入される自動車用のご当地ナンバープレート「南信州」の図柄について、地元の自然風景をイメージしたデザインに決定した。図柄のデザイン案をコンテストで公募し、住民の投票を基に決めた。南信州ナンバーは2025年5月から、飯田下伊那14市町村の車両に交付される予定。 【写真】「南信州」ナンバープレートのデザイン最終候補の6案
決定した図柄は地元の伝統工芸「水引」をモチーフに、青や緑の線で南アルプスの山並みや天竜川、赤い「梅結び」で太陽が表現されている。
図柄のコンテストには計358点のデザイン案が寄せられ、地域らしさなどを基準に最終候補6案を選定。9月30日~11月5日にインターネットや各役場庁舎で投票を受け付けた。総投票数3525票のうち、採用された図柄は最多の881票を集め、次点に225票差をつけた。
17日に県飯田合同庁舎(飯田市)であった南信州ご当地ナンバー創設推進協議会で表彰式が開かれ、デザインした飯田市のデザイナー遠山康幸さん(51)に、広域連合長の佐藤健飯田市長が賞状と賞金10万円を手渡した。佐藤市長は「南信州の美しさが伝わる。地域PRに生かしたい」と述べた。
「南信州」ナンバーは昨年6月に広域連合が導入推進を決め、2回の住民アンケートで回答者の約7割が導入に賛同。14市町村長の連名で今年3月に国に申請し、国土交通省は4月、ご当地ナンバーへの「南信州」の追加を発表した。25年5月から交付される南信州ナンバーは、「図柄なし」、カラーかモノクロの「図柄あり」の3種類から選べる。
■「地域全体の盛り上げにつながれば」
図柄をデザインした遠山康幸さんの話 多くの人に投票してもらい光栄です。南信州に住む全ての人にとって、日常的に眺める南アルプスや天竜川の景観こそが財産だと思い、デザインしました。山も川も分かりやすく、ナンバーも見やすくなるよう考え、飯田市の伝統工芸「水引」をモチーフにしました。モダンな雰囲気に仕上がったと思います。地元には焼き肉の食文化など、他にも多くの魅力があります。このご当地ナンバーの車が全国を走り、多くの人に南信州を認識してもらい、地域全体の盛り上がりにつながればと願っています。