ゲーム通し思い出話に花 三重・多気町車川の住民ら交流
勢和農村RMO協 「人生すごろく」でお題「10代の頃の夢は」「これからやりたいこと」
農用地の保全や地域コミュニティーの維持などに取り組む三重県多気郡多気町勢和地区の「勢和農村RMO協議会」(中西眞喜子会長)は9日午後1時半から、車川の油田公園で、住民たちによる「人生すごろく」を行った。参加者たちは、お題に沿ってこれまでの思い出や、地域の魅力などについて話し、交流を深めた。 農村RMOは農村型地域運営組織で、人口減などにより弱体化する集落機能を保全する協議会組織のこと。勢和地域では2022(令和4)年度に一般社団法人ふるさと屋を事務局として活動を開始し、農地の保全や住民の生活支援、地域を活性化させるための仕組みづくりに取り組んでいる。 「人生すごろく」はRMOのプロジェクトの一つ「うごく円居(まどい)プロジェクト」の一環。地域の居場所づくりとともに、「ウェルビーイング(個人や社会の良い状態)」の向上を目的に、さまざまなプログラムを行っていく。 「人生すごろく」は人生の局面や選択肢を表現したボードゲーム(すごろく)を行い、ゲームを通じて思い出を振り返り、未来について考える時間をつくる。 第1回となったこの日は、車川の70、80代の男女5人が参加した。ボードには「最も記憶に残っている出来事は?」「知恵袋教えて」などの升の他に、「カードを引く」の升も。そのカードには「10代の頃の夢は」「思い出の曲は」「これからやりたいこと」「近くにこんなサービスがあったらいいと思うもの」などが書かれており、参加者たちは「勉強を頑張っていた」「集合住宅を造りたい」「現状維持がいかに大切か」など、それぞれが題に沿って話していた。過去を振り返りながら、時には涙したり、笑みがこぼれたりと、交流を深めながら和やかな雰囲気で進んでいった。 北村キミ子さん(79)は「こうやって集まって楽しく過ごさせてもらいました。またこういうおしゃべりできる集まりがあったらいいですね」、辻本公子さん(80)は「楽しかったです。皆さんの意見を聞かせてもらいました。普段、道で会ってもこういった話はしない。こういう機会があればまた声を掛けてもらいたい」とそれぞれ話していた。 同プロジェクトリーダーの看護師・鍬形紗世さん(40)は「喜怒哀楽いろいろありながら、相互理解につながる形で、成功だったかなと思います」と話していた。