【台風10号】のろのろ接近に住民やきもき…「長期戦」見据え早めの避難と対策急ぐ *「台風への備え」チェックリストあり
台風10号が非常に強い勢力に発達しながら奄美を暴風域に巻き込んだ27日、種子島では一部の高齢者が自主避難して警戒を強めた。県本土でもガソリンスタンドに給油待ちの列ができるなど、ゆっくり進む台風による影響の長期化を懸念し備えを急ぐ住民の姿が見られた。 【写真】台風への備え、大丈夫? チェックリストで確認
中種子町は同日午後5時に町中央公民館を自主避難所とし開放、住民や観光客が身を寄せた。近くの内村和子さん(88)は「一人暮らしなので風雨が強まる前に動かなければと思った。仕切りや段ボールベッドが用意されていて助かる」と話した。 地震の影響で高さ約50メートルの崩落が起きた志布志市志布志町帖ののり面は、今も山肌があらわになっている。近くの清家直樹さん(52)は「崖がもろくなっているのではないかと心配。避難所が開設されたら早めに避難しようと考えている。台風10号は足が遅いようなので、避難が長引かなければ良いのだが」。 鹿児島市郡元1丁目のエコスタンド工学部前店は開店直後から給油を求める車両の列ができ、1台2000円までに制限した。同市田上台4丁目の無職西村隆志さん(80)は「停電時にクーラーを使ったり携帯電話を充電したりできるようにしておきたい」と備えた。 県内に22カ所のスタンドを持つ岩崎産業(鹿児島市)は、同日までに各店舗の燃料タンクを満杯にして対応した。
「波が高くなる前に作業を終わらせないと」。長島町鷹巣の漁業、浜健男さん(75)は早朝から昼前まで、同町宮之浦沖にある漁場を巡り養殖ブリいけすの補強に追われた。いけすが流出するのを防ぐため、太いロープを足して5台ずつしっかりと結びつけた。「台風が来ると海が荒れて時間がかかる。予報を見て早めに動くことが大事だ」
南日本新聞 | 鹿児島