広島・常広 侍斬り2回零封!存在感放つも満足せず「ファウルや空振りが連続して取れる球質目指す」
◇練習試合 広島2―6侍ジャパン(2024年11月5日 宮崎) 広島は、侍ジャパンと7回制の練習試合(8回はタイブレーク練習)を行った。先発した常広羽也斗投手(23)は、最速149キロの直球を軸に、カーブ、フォークなどの変化球を織り交ぜて2回1安打無失点と好投。侍斬りで存在感を示した。1年目の今季はシーズン終盤の9月に1軍デビュー。9月15日のDeNA戦でプロ初勝利を挙げた。2年目でのブレークへ向けて新井貴浩監督(47)は飛躍に期待を寄せた。 常広が侍打線を2回無失点に抑えた。23年ドラフト1位が存在感を発揮。ポテンシャルの高さを見せつけたが、貪欲な23歳右腕は自身には厳しかった。 「良い球も、悪い球もあって、今後の練習につながる投球だった。真っすぐで、もう少しファウルとか、空振りを取りたかった」 初回は先頭の村林を131キロのフォークで一ゴロ。続く坂倉への5球目の直球は、この日最速となる149キロを計測したが、四球で歩かせた。それでも辰己を143キロ直球で遊飛、小園も145キロ直球で中飛に仕留めた。2回は先頭の紅林に右前打を許したが続く佐藤を遊ゴロ併殺。五十幡も133キロフォークで空振り三振に抑え、大分県の自宅から応援に駆けつけた両親に勇姿を届けた。 「自分の中で修正できていたと思うし、まずまずじゃないかな」 新井監督も内容に目を細めた。この日は直球主体で攻めの投球をテーマに掲げていた。しかし全26球のうち直球での空振りは1球もなく、ファウルも2球だけだった。自信を持つフォークに関しては一定の収穫を得たが、直球の球威には納得していなかった。 「どんどん強い球で入っていこうと思っていたが、それが今日はうまくいかなかった。強い直球をゾーンに投げ続けることが必要だと感じたので、その練習をしていきたい。ファウルや空振りが連続して取れる球質を目指したい」 今後は直球の向上と制球力の再現性を高めるための練習に取り組んでいく意向を示した。今季はコンディション不良で出遅れた。それでも9月15日のDeNA戦でプロ初先発初勝利をマーク。1年目は2試合の登板で1勝0敗、防御率2・45だったが、指揮官は来季へ期待を寄せる。 「来年は1軍でローテーションに入って、本人も投げたいと思っているだろうし、こっちもそういう期待をしています」 侍斬りの結果は来季につながったはずだ。2年目は開幕ローテーション入りが絶対条件。明確な目標へ向けて進む最速155キロ右腕がブレークへ向けて自らを磨く。(長谷川 凡記)