結婚したくても「よい出会いがない」―東京商工会議所の意識調査 : 子どもを持つ場合のハードルは「経済的不安」
東京で働く若者世代の8割は「いずれは結婚するつもり」。しかし、独身者の約半数が「よい出会いがない」と悩み、全体の7割が子どもを持つ場合のハードルとして「経済的な不安」を挙げている。 東京商工会議所がこのほど初めて実施し、結果を公表した「東京在勤若者世代の結婚・出産意識調査」によると、「いずれ結婚するつもり」と結婚に前向きな回答をした独身者は78.7%に上った。一方、結婚へのハードルとしては、独身男性の50.1%、同女性の47.0%が「よい出会いがない」と回答。「経済的な不安」(同男性40.9%、同女性36.5%)を上回った。
この中で、交際相手がいない独身者をみると、「よい出会いがない」の回答割合は67.3%に上昇。「婚活が面倒」(37.1%)、「職場に異性が少ない」(21.3%)、「異性とのコミュニケーションに不安・接し方が分からない」(20.9%)などの回答割合が、交際相手がいる独身者に比べて非常に多かった。 出会いの面であったらよいものとしては、「友人・知人からの紹介」が53.5%で最多、次いで「信頼性が高くリーズナブルなマッチングアプリ」の42.5%だった。 調査はことし4月から5月にかけ、少子化対策に向けた政策提言活動の一環として実施。東京都内で働く東商の会員企業の従業員を中心に、18歳から34歳の2198人から回答を得た。
「理想的な子どもの数」については、全体の76.4%が2人以上と回答。しかし、「現実的に持てると思う子どもの数」が2人以上の割合は44.2%。55.7%が「0人もしくは1人」と回答した。 子ども数の理想・現実は、回答者の年収が多いほど多くなる傾向があった。年収が300万円以下の場合、0人を理想とする人は24.6%に上った。
子どもを持つ場合のハードルは、「経済的な不安」が全体の74.1%と他に大きく差をつけて最多。「家事や育児の負担増」は女性が多い反面、「長時間の労働」「転勤や単身赴任の可能性」は男性が多く、性別役割分担意識が伺える結果となった。「キャリアに支障がでる不安」も、男性に比べ女性が非常に多い。