そごう広島店、新たな姿は 新館閉館から1年 進む改装、仮設売り場目立つ1、2階に注目
百貨店のそごう広島店(広島市中区)は31日、新館の閉館から1年になる。新館にあったテナントの移転を含め、来年春の完了を目指して改装を段階的に進めている。一方、隣のアクア広島センター街から引き継いで増床した1、2階は、仮設の売り場が目立ち、全体像はまだ見えない。大規模リニューアルの行方に買い物客の注目が集まる。 【写真】壁に囲まれた区画で改装が進むそごう広島店2階の売り場【地図】そごう広島店 1階はフロアの半分程度が壁で囲まれ「改装工事中」と表示されている。7月以降、1階の革製品ブランドのコーチが2階へ移るなど、本格的な改装に入ったことがうかがえる。ただ、改装工事の終了時期は明らかになっていない。 そごう広島店は地下2階~地上10階から成る。この1年、2階の婦人服が4階に移り、地下1階に新しい洋菓子ブランドが加わった。外商顧客のVIPルームは2階に2カ所目ができた。旧新館からのアクセサリー店などのテナント移転を含め、1、2階を除きリニューアルはほぼ終えた。 今後は仮設売り場の行方に注目が集まる。そごうの売り場の一部となったアクア1、2階部分も改装の途中。化粧品など仮設の店が入る他は、季節商品の販売や書道関連の展示など一時的な利用にとどまる。地場百貨店のある幹部は「改装には多額の投資が必要。どんな店にするのか、構成を見極めている状況ではないか」とみる。 運営するそごう・西武(東京)は昨年9月、米投資ファンド、フォートレス・インベストメント・グループの傘下に入った。今年6月、旗艦店の西武池袋本店(同)のリニューアル構想を発表。高級ブランドや化粧品、食品を強化し、子ども服や家庭用品は縮小する。この方針を広島店などにも広げる考えだ。 買い物客は広島店の改装に関心を寄せる。東区の自営業女性(47)は「40~50代に合う服や靴が少なく、最近は地下の食品売り場でしか買い物をしなくなった。時間をかけてでも、非日常感を感じられる売り場にしてほしい」と求める。
中国新聞社