UNiFY×30-DELUXで人気作品を大胆リニューアル!『SHAKES2024~それは夢、だが人生という永劫の物語』
2023年の結成以降、精力的に活動を展開しているダンスボーカルグループ・ UNiFY(ユニファイ)。そして圧倒的な迫力の殺陣とアクションが持ち味の舞台で人気を博している30-DELUX。ダンスと殺陣というそれぞれの武器を携え、彼らがコラボレーションするのは30-DELUXの代表作のひとつ『SHAKES』。テーマパーク「シェイクスピアランド」のオープニングアクトを無事開演させるために奔走する人々を描くアクションコメディエンターテイメントが、UNiFYの参加によってどのような化学変化を起こすのだろう。 【全ての写真】石橋弘毅×村瀬文宣×新美直己×竹之内景樹のソロカット また、東京・大阪・名古屋で少しずつ顔ぶれの異なるA・Bチーム体制のキャスティングも、さらなる化学変化を進めるに違いない。今回、UNiFYから石橋弘毅(江口久之・倉木英樹役)・新美直己(上西宗二役)、30-DELUXから村瀬文宣(匠 士也・上西宗二役)・竹之内景樹(舞台監督・倉木英樹・倉木ユタカ役)の4名が登場。『SHAKES2024』に懸ける想いを語った。
これまでとは異なる『SHAKES』に
――今回のコラボレーション企画が決定して、どう感じたのでしょうか。 石橋 僕は数日前まで別の舞台に出ていたんですけど、「30-DELUXさんとコラボ公演をやる」って話したら「すごい!」とか「殺陣、大丈夫?」って言われたんです。なので、プレッシャーを感じながら(稽古に)合流した次第です。たくさん勉強させてもらいながら、がんばりたいと思います。 村瀬 UNiFYさんは僕らよりも結構年下の方も多いから、すごくフレッシュで、皆さん華がある。こちらは「俺たちおっさんだ……」って感じで。 竹之内 だよねえ(苦笑)。 村瀬 でも、すごく楽しみです。皆さんいい人だし、僕らは殺陣を教えて、逆に皆さんからはダンスを教えてもらって、いい相乗効果になりそう。 ――『SHAKES』の魅力は、どういうところにあると思いますか? 新美 前回公演の映像を観て思ったのは、「やばい!すごい!」。これを進化させたバージョンをこの人たちと一緒にやるんだって思ったら、不安もあるけどすごくワクワクしました。 ――例えば、どういうところがすごいと思ったんでしょう。 新美 やっぱり殺陣ですね。僕はダンスを10年以上やっているけど、本格的な殺陣にふれるのはほぼ初めて。びっくりしたというか、感激したというか、初めてダンスを見て「かっこいいな!」と思った時の感覚を思い出しました。 石橋 シェイクスピアのキャラクターが入り乱れて話が交錯していくファンタジー系の話なのかなと思ったら、実は本当にこういう劇団があったのかなっていうくらい、江口を中心にリアルな人間関係や人間くささが描かれていて。ドラマ性の大きな作品だと思いました。 村瀬 舞台やってたら“あるある” だなっていう舞台裏の出来事が描かれているんですよね。演出家とプロデューサーがもめちゃったりとか。 石橋 それ、“あるある” って言っていいんですか? 竹之内 まあ、“あるある”でしょ(笑)。 村瀬 お客様にも「もしかしたら実際にこういうこともあるのかも」って想像してもらえそう。僕らにとっては、本公演はもちろん各地の学校にお招きいただいて上演する学校公演でも何度も演じている、“一緒にここまでやってきた作品” 。だからこそ、「この役はこうだよね」と意識が凝り固まっていた部分もありました。でも今回は新しく演出に山本タクさんが入ったし、UNiFYの皆さんの本読みや立ち稽古を見ていても予想外のアプローチで、「この役、こう演じることもできるんだ」っていう発見がある。これまでとは全然違うものになりそうで、楽しみです。 竹之内 僕は『SHAKES』ってヒューマンドラマで、そこにアクションを追加したらどうなるかっていうのが根本にあると認識していて。30-DELUXはアクションで物語を紡ぐ「アクションプレイ」っていう造語を使っていますが、アクションのひとつひとつをただ振り付けとしてやるのではなく、芝居としてどういう感情を載せて、誰がやるかによって、より面白くなる。 ――皆さんが演じる役については、どう捉えていますか。 竹之内 僕は3役演じますが、例えば倉木ユタカは以前、世間知らずで親の力で役をもらったのに自分には実力があると勘違いしている役者として演じました。今回は、実力はあるし本当によいものを創ろうとしているけど滑舌が悪いっていう大きな欠点を抱えた、(もうひとりのユタカ役である)石沢瑠架くんとはまた違うユタカを創りたい。 村瀬 殺陣師である匠はこれまでも演じていて、最初は役と自分の年齢がつり合っていない感覚があったけれど、だんだん等身大でリンクするようになってきた。今回は福井巴也くんの江口との関係性によって、これまでとは違うものが生まれるでしょうね。匠って一見あっけらかんとしているけど実は闇を背負っている人間なので、そこが垣間見えるように、作品の中でしっかり生きていきたいと思います。 石橋 主人公って、いろいろな人に対して積極的に行動して周りをかき乱すことで物語を創っていくイメージがありますけど、江口は周りからの働きかけを受けていく感じですね。個性の強いキャラクターそれぞれに合わせてお芝居をしなきゃいけない。昨日初めて立ち稽古をしたんですけど、30-DELUXの皆さんがすごく速いボールを投げてくるので、僕はキャッチャーに徹してどんな球が来ても取らないと。江口としてはそれが正解だろうし、彼の魅力として大切にしていきたいですね。妹のメイとのシーンでは別の世界に入るような感じでメリハリをつけられたら、すごく素敵な作品になるんじゃないかと思います。 新美 上西はムードメーカーで、出てくると雰囲気が変わるような印象があります。僕は初舞台でも自分自身とはまったく違うキャラクターを演じましたけど、その時の感覚とちょっと似てるかも。初心というか、がむしゃらに、僕らのファンの方にも30-DELUXのファンの方にも、田中精さんの上西とはまた違う、自分なりの新しい上西を見せられたらよいですね。 ―― UNiFYの皆さんにとっては、殺陣やアクションの稽古も貴重な経験ですね。 新美 基礎から教えていただいたんですけど、ダンスとは身体の使い方が違うし、相手のリアクションだとか、こういう感情があるからこういう動きがあるんだっていうことも細かくていねいに教えてくださるので、すごく勉強になります。実際に本番を迎えた時には「稽古をがんばってよかったな」って思うでしょうね。 竹之内 僕はプレ稽古の初めから参加してアクションを教えて、逆にダンスは彼らに教わって。皆明るくて意欲的だし、ダンス経験があるから自分の一番かっこいい見せ方を追求している。立ち回りって、動きはもちろんですけど、切った後の見えも大事。そこが押さえられている人たちなので、お互いに高め合って最高のものを創れると思います。