「薬の飲み忘れに悩む人」に教えたい画期的な“解決方法” 薬の種類や回数の多さに悩むのは高齢者だけではない
誰もが一度は経験しているであろう、処方された薬の飲み忘れ。加齢による認知症や身体障害によるものだけでなく、若い世代でも多忙な毎日に追われてつい薬を飲まなくなってしまうケースがよく聞かれます。しかし疾患治療の早道は処方薬を正しく飲み切ることです。今回は薬を必要な期間、忘れずに飲み続けるコツをお伝えできればと思います。 ■服薬アドヒアランスを「高める」 医療現場では、処方された薬を適切に使用していくことを服薬コンプライアンスまたは服薬アドヒアランスと呼びます。両者は薬を飲むという意味ではほぼ同じですが、服薬コンプライアンスは医師の指示通りに処方薬を使うこと、服薬アドヒアランスは患者側も服薬について理解・納得して薬物治療を受けることを指します。
前者は一方的で受け身ですが、後者は医師とのコミュニケーションをもとに患者主体で治療に取り組むことから、医師と患者が共に疾患治療をしていく昨今の風潮では、服薬アドヒアランスを「高める」ことが大切とされています。 しかし、実際には患者が薬を適切に飲めていない現状があります。すると、治療効果がじゅうぶんに出ないだけでなく、決められた通りのことができなかったという後ろめたさ、恥ずかしさから薬が飲めていないのに「飲めています」と診察の場で言ってしまう場合もあります。
そして医師は患者の申告をもとに治療方針を立てるため、疾患の治療がうまくいかず患者自身の健康を害する結果に繋がってしまうのです。 生活の中に服薬という新しい習慣を取り入れることは誰でも難しいものです。生活事情や薬が飲めない原因もさまざまであるため、ご自身にあてはまるものを医師や看護師、薬剤師などと相談しながら改善していくことが重要です。 薬が飲めない原因としてよくあるのは、処方された薬の種類や回数が多いことではないでしょうか。特に高血圧や糖尿病など生活習慣病を抱えやすい中年以降の方では、大量に処方された薬のシートを見るだけで嫌になってしまう方も少なくありません。まず種類をなるべく減らしていきたいところですが、一度医師の診断で処方された薬を患者側が意見して減らすのはなかなか難しいかと思います。