「適当に打ったら倒れていた」 比嘉大吾が圧巻の4回KO ボクシング
比嘉大吾が圧巻のKO劇で復活ののろしを上げた。序盤から積極的に足を使い、左ジャブとアッパーから鋭い右へとつなげる流れるようなボクシングで、元世界暫定王者のシリチャイ・タイイェン(タイ)を翻弄(ほんろう)した。2回には左右の連打で2度のダウンを奪い、完全に試合を支配した。 【写真】「倒されてもいい。攻めるしかない」 比嘉大吾、薄氷の判定勝ち 1年3カ月ぶりの再起戦 3回には右ボディーを突き刺して3度目のダウンを奪った比嘉は4回、「適当に打ったら倒れていた」と再度、右ボディーを決めて相手に10カウントを聞かせた。 再起後は判定による2連勝も「変な試合ばかりだった」と不完全燃焼が続いた。それでもプロデビューから師弟関係を続ける野木丈司トレーナーの下、過酷なトレーニングに取り組み、豪打を支える鋼の肉体と自信を取り戻した。指笛が鳴り響く中、ファンが待ちわびたKO勝利を届け、「久しぶりに倒せた」と安堵(あんど)する一方、試合前日の慰霊の日に触れ、「今の自分があるのも祖先の方々のおかげ」と故郷に思いをはせた。 野木トレーナーからも「世界戦用のメンタルが戻ってきた」と評価された比嘉は「ここからまた積み重ねていきたい」と気を引き締めた。(小笠原大介東京通信員)