ラインのないガールズケイリンで勝つために24歳・高尾貴美歌が“魅せた”高等戦術「あえて流し気味に出た」/小倉競輪
小倉競輪場のミッドナイト「ウィンチケットミッドナイト競輪(F2)」は10日、初日を開催。1Rのガールズ予選1を制した高尾貴美歌(24歳・長崎=116期)に話を聞いた。 レースに関するコメントは、ほとんど「臨機応変に」とする高尾貴美歌。何でも出来る便利な言葉にも聞こえるが、高尾の場合はちゃんと考え、レースの中でコメント通りに立ち回っていた。 「とにかく中野さんが強いので、どうやったら倒せるか組み立てを考えてました」 中野咲が人気の軸になっていた一戦で、人気対抗格の高尾は最初のポジションから中野が真後ろになった。先手を取った清水彩那後位をきっちりと守ると、後ろの外並走から捲ってきた中野に合わせる形で捲り出た。 「道中は落ち着いて判断出来たと思う。中野さんが後ろなのはわかっていた。タイヤの音が聞こえたので、“中野さんが来たんだ”って思って出ました」 ライン戦の男子とは違う個々での戦い。スパートする直前もスパートしてからも、強敵を倒すために綿密な策が散りばめられていた。 「あえて流し気味に出て行ったんです。清水さんが私に飛び付いてこれるように。そうすれば中野さんも浮かされて苦しいかなって」 一気に抜け出してしまうと格好の標的にされてしまう。中野を合わせると同時に、後方をもつれさせようとした頭脳プレーで、最後は2着の清水に4車身の差をつける完勝劇。外並走が続いた中野は4着に敗れた。高尾はこれが今年3度目の白星スタート。過去2回は2日目も白星を挙げて連勝で決勝に勝ち進んでいる。2度あることは3度あるか、再び中野と対戦する予選2も注目したい。 (netkeirin特派員)