平家物語の新解釈など収録 三重・松阪郷土文化会 会報、55年目の記念号発行
松阪の歴史や文化に関心のある人たちでつくる松阪郷土文化会(吉田悦之会長、86人)はこのほど、記念号として会報55号(B5判、113ページ)を発行した。16人の論考や、俳句と短歌を収録した。会員たちは「松阪から自信を持って発信できる話が盛りだくさん」と紹介している。会員に配布し大学や図書館などに寄贈する。 同会は1900(明治33)年に創設した歴史研究者の集まり「三重県史談会」が前身。太平洋戦争で活動を停止したが、48(昭和23)年に再開。61(同36)年に現在の名称に改め、歴史愛好家たちの会として門戸を広げた。現在は松阪市内を中心に多気郡、度会郡、伊勢市、津市の会員が郷土の歴史についての勉強や現地視察を行っている。 会報は会員が研究したことを報告する場として69(同44)年9月に発行し、今年で55年。平家物語の解釈について地域にまつわる新たな説を打ち出したり、松阪周辺の参詣道を巡って道標のいわれをまとめるなどした「力作ばかり」という。 吉田会長(66)=笹川町=は「松阪地域の文化がいろいろなところに影響を及ぼしたことが分かったり、史跡を巡るときに楽しめる話などが詰まった内容になっています」と話す。 55号は360部を製作し、会員や県立図書館をはじめ、松阪市近辺の図書館、大学などの研究教育機関などに順次配布する。約200部は税込み千円(送料別)で一般にも頒布する。 26日午後1時半からは殿町の第一公民館で、役員会を開き、完成した会報について意見を交換するなどした。 購入は事務局の髙瀬孝二さんにはがきかEメールで申し込む。宛て先は〒515─0063松阪市大黒田町1850-5または taka-skh@mctv.ne.jpへ。