大阪・天満橋で人気 月1回の本マグロ解体ショーと即売
最近、全国的にマグロの解体ショーが人気を呼んでいる。大阪でもご多聞に漏れずだが、日本で最も多くのまぐろをさばくイベントがある。毎月第一日曜日、大起水産が主催する鮮魚市場「天下の台所・八軒屋浜市」(大阪市中央区北浜東)だ。ここで行われる「生・本まぐろ解体ショー」の解体即売市は長蛇の列を成すことでも有名で、1日1500人ものファンが訪れるという。
ブロックで買って持って帰る人も多い
今月はじめ、京阪天満橋駅から近い川のそばに設営された店舗に足を運ぶと、天気が悪いのにもかかわらず、午前10時の開店前から早くも行列ができていた。この日は45回目の開催。月1回実施されるまぐろのエンターテイメントショーと言ってもいいだろう。 「今日は(まぐろを)7本持ってきています。まぐろは長崎県の蚊焼(かやき)から。水揚げして1日冷やさないといけないので、それから大阪へ運ばれる。産地直送です。月1回の開催やけど、すべて売り切ります。朝10時から夕方5時までの営業ですが、4時前にはなくなります。1日5本以上を完売する店は、どこにもないですね。うちだけでしょう」(大起水産グループ・大起産業・酒井泉専務) 毎回1500人ほどが来店するというから、グルメの名所とも言え、大賑わいだ。まぐろ1本で約300人分。60キロほどの魚体が多いというが、この日、朝一番のまぐろは68キロ。「ここに来られたお客さんは、いっぱい食べるんですよ。ブロックで買って持って帰るお客さんも多いです。販売価格は安いんですけど、客単価は高いかもしれませんね」(同・酒井専務)
解体ショーで日本食における魚食文化の普及
イベントを主催する大起水産グループは1975年創業。今では回転寿司、海鮮レストラン、刺し身と寿司の店など関西一円に多数展開し、回転寿司などの店舗でも解体ショーを行っている。 創業当時から“鮮度”にこだわり、国内外の産地と独自の仕入れルートを開拓。セリを飛ばして産地直送にすることでコストも抑えている。さらに、業界初の鮮魚の情報番組『新鮮活け活け情報』(ラジオ大阪)の放送や海外でも生本まぐろ解体ショーを行うなど、日本食における魚食文化の普及にも取り組む。 さて、開店時間が訪れると、売り場が開放され、いよいよ名物の解体ショーとなった。 「それでは第45回、生・本まぐろ解体ショーを始めます。本日は、大阪で有名な大食いタレントもお呼びしてます。一緒に楽しんでください」 そんな挨拶のあと、巨大まぐろのテール(尾)の部分から、ざっくりと刃先が入った。続いて頭部、胴体と、素早く、丁寧に切り込んでいく。職人の見事な包丁さばきもさることながら、何よりお目当てはさばきたての刺身や寿司の“即食べ”だろう。どの部位も鮮度が高く、舌がとろけるほどの旨さ。どんどん食が進むだけに、おなかの膨れ具合に反して財布の中身がしぼむ。