厳しすぎ?児童クラブの申し込み期限、少し過ぎただけで× 働く親「最後のとりで」、自治体「公平保つため厳守」
落ち度はあるけれど、うっかりしてしまうこともある…
「締め切りを過ぎて児童クラブを申し込んだら断られたママ友がいる。親に寄り添わない自治体の対応に疑問を感じる」。子育てしながら働いているという女性からの匿名の手紙が本紙「声のチカラ」(コエチカ)取材班に寄せられた。年末年始の児童クラブ利用ができなくなってしまったとの内容。手紙には「締め切りを守らなかったのはママ友の落ち度。でもうっかりしてしまうこともある」とし、自治体側に期限についてどう考えているのかを聞いてみた。(春原彩花) 働く女性は過去最多の3035万人 総務省調査
手紙によると、ママ友が申し込もうとしたのは長野県諏訪市内の小学生が利用する市の児童クラブ。締め切り日の1、2日後に申し込んだところ断られ、年末年始の冬休み中に利用できず困っているという。
指導員確保には時間がかかる
諏訪市の児童クラブは学校登校日の他、長期休みや振り替え休日など、学校の休みの日に開設。年度前に申込期間を設け、一斉に受け付ける。夏、冬、春の長期休み中に利用する場合は改めて出欠席を連絡する必要があり、本年度の冬休み期間については11月15日が期限だった。
諏訪市教委教育総務課によると、入所申し込みや長期休み中の利用の連絡は「基本的に締め切り厳守」。家庭状況を配慮するなどした例外はあるというが、指導員不足の中で児童数に応じた指導員の確保や配置には時間がかかり、必要な期間を勘案して期限を設定している。期限を過ぎてしまったとの相談も寄せられるが、「公平性を保つために締め切り厳守をお願いし、例外を除いてお断りしている」とする。
諏訪地域の他5市町村でも児童クラブは開設されている。いずれも諏訪市と同様に年度前に一斉に申し込みを受け付けている。岡谷市、茅野市、下諏訪町、原村は年度前に利用申し込みしておけば、長期休みに改めて申し込む必要はない。
柔軟に対応している自治体も
富士見町は三つの児童クラブがあり、冬休みで利用する場合は各児童クラブに改めて申し込む必要がある。期限は設けているが、富士見町教委子ども課は「利用状況を確認するため申し込みをお願いしているが、期限は柔軟に対応している」とする。
諏訪市以外は冬休みに利用できなくなる児童はいないとみられる。手紙には「児童クラブは子育てしながら仕事するためにはなくてはならない最後のとりで」と切実な声も記されていた。