小芝風花が巧みに表現するしなやかな強さ 確固たる実力が“令和版”『大奥』を引っ張る
小芝風花主演の『大奥』(フジテレビ系)が、いよいよ放送開始される。フジテレビの人気ドラマ『大奥』の初回放送から約20年の時を経て、“令和版”として生まれ変わった新しい『大奥』を描く本作。『大奥』といえば、さまざまな思惑が渦巻くなかでの、嫉妬、憎悪、悲哀に満ちた女たちの闘いが見どころとなってきた。しかし“令和版”はそれだけでは終わらない。“愛”をテーマに『大奥』史上、最も切なくて美しいラブストーリーが繰り広げられるのだ。 【写真】『大奥』第10代将軍・徳川家治役を演じる亀梨和也 ここで注目したいのが、主人公・五十宮倫子を演じる主演・小芝風花の存在だ。フジの『大奥』といえば、これまでに菅野美穂や松下由樹、内山理名、木村文乃ら名だたる女優たちが主演を務め、共演者もまた非常に豪華。幾度となくフジテレビでドラマ化された由緒ある作品であることから、今回の抜擢も小芝の確固たる実力を見込んでのことだろう。小芝が作り上げる、新たな『大奥』には自ずと期待が高まる。 小芝は2012年に連続ドラマ『息もできない夏』(フジテレビ系)で女優デビュー。話題となったのは、自身の初主演映画にして有名アニメの実写化作品でもある『魔女の宅急便』(2014年)のキキ役だろう。宮﨑駿監督がアニメ映画化したことで多くの人に知られる『魔女の宅急便』。その実写化作品ということで大きな話題となり、小芝の存在が知られるきっかけにもなった。 着実にキャリアを積み上げた小芝は、連続ドラマ初主演となる『トクサツガガガ』(NHK総合)でトクサツオタク女子を好演しコメディエンヌの才能を開花させる。また『美食探偵 明智五郎』(日本テレビ系)のヒロイン・小林苺役では、一途に主人公を想い続ける姿が視聴者の共感を呼び、みんなが応援したくなるキャラクターとなった。加えて『妖怪シェアハウス』(テレビ朝日系)シリーズ、『モコミ~彼女ちょっとヘンだけど~』(テレビ朝日系)などにも出演し、一癖も二癖もある設定を乗りこなす芝居の力を見せつけてきた。 近年では、金髪姿で挑んだ『波よ聞いてくれ』(テレビ朝日系)の破天荒なラジオパーソナリティ・鼓田ミナレ役でも強烈なインパクトを残した。これまでの小芝のイメージを払拭し新たに挑んだ『波よ聞いてくれ』は、小芝が新境地を開拓した作品としてSNSを中心に視聴者からの評価も高い。また、『フェルマーの料理』(TBS系)で一流レストラン「K」唯一の女性シェフ・赤松蘭菜役を演じたときには、ピリつく厨房の中で黒のヘアバンドをし、真剣に料理と対峙する姿が印象的だった。実力派の女性像もキリリと演じて見せる清々しさには惚れ惚れとした。こうして、ある種の強さを持つキャラクターもなんなくこなしてきたことから、『大奥』でも倫子のしなやかな“強さ”を巧みに表現してくれることだろう。 今回放送される『大奥』は、十代将軍・徳川家治(亀梨和也)と政略結婚した皇族の娘・倫子が大奥の世界で生き抜いていく様子が描かれる。女たちの愛憎渦巻く世界という部分はこれまでの見どころを継承し、一方で倫子と家治がどのように関係を築いていくのかという“愛”の部分がより際立つ作品となる。亀梨和也演じる家治と倫子との関係、そしてそれをかき乱すであろうキャラクターたちとの掛け合いが今から楽しみだ。さらに今回は全編オール京都ロケというゴージャスさも加わる。衣装の煌びやかさや風景の美しさが、小芝と亀梨の織り成す “最も切なくて美しいラブストーリー”をさらに盛り上げてくれそうだ。
Nana Numoto