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　ＡＬＳ患者を殺害した罪などに問われている医師の控訴審は、１１月２５日午前、大阪高裁で判決公判が行われ、大阪高裁は医師の控訴を棄却しました。 　医師の大久保愉一被告は５年前、元医師の山本直樹被告と共謀し、ＡＬＳ患者の林優里さん（当時５１歳）から依頼されて、薬物を投与し殺害したなどの罪に問われています。 　今年３月、一審の京都地裁は「恐怖や苦痛に直面していても、憲法は『命を断つために他者の援助を求める権利』などを保障しておらず、被害者のための犯行とは考え難い」などとして、山本被告の父親を殺害した罪なども含めて懲役１８年の判決を言い渡し、大久保被告側が控訴していました。 ◆控訴審で大阪高裁「真摯に被害者のためを思った行為とは考え難い」 　大阪高裁での控訴審では、弁護側が「被告を処罰することは被害者の選択・決定を否定し、個人の尊厳などを定める憲法に違反していて、１審の判決は誤っている」などとして無罪を主張していました。 一方、検察側は控訴を棄却するよう求めていました。 　２５日午前、大阪高裁は「大久保被告は、被害者を直接診察等したことがなく、カルテを見たことがないのに、ＳＮＳでやり取りしただけで、被害者の（死を希望する）意思の真摯性を見極める作業を全くしていなかった」などと述べました。 　さらに「わずか15分程度の面会で犯行におよび、130万円の謝礼を拒否することなく受け取っており、真摯に被害者のためを思った行為とは考え難い」などとして、大久保被告の控訴を棄却する判決を言い渡しました。 　ＡＬＳ患者の林優里さん（当時５１歳）に対する嘱託殺人の罪については、元医師の山本直樹被告も控訴審で争っています。