（写真：神奈川新聞社）

　石破茂首相（自民党総裁）が「裏金議員」の大半を公認する方針を示したことを巡り、県内の有権者に怒りと失望が広がった。「おかしい」「反省が感じられない」。一部を非公認としたことにも「当然」との見方が多く、「納得と共感」を掲げる首相の政治姿勢を疑問視する意見が続出。自民党支持者からも看板倒れによる選挙戦への影響を懸念する声が上がった。 　「国民の代表である政治家が法律違反の裏金をつくっていたのだから、もっと厳しい対応じゃないと納得できない」 　横浜市港北区の男性会社員（６５）は、確定申告で１円の記載漏れも許されない市民とのギャップを指摘。旧安倍派の会計責任者が有罪となったことにも触れ、「関与した議員が何もなかったかのように公認されるのはおかしい」と疑問を呈した。 　小田急線本厚木駅前で幼児を連れた母親も「裏金議員は犯罪者ではないか」とし、全員が非公認になるべきだと憤る。一部を非公認とした判断にも納得は広がっておらず、南足柄市の会社員の男性（５１）は「国民に対するパフォーマンスでは」と疑いの目を向けた。 　党総裁選で厳格な判断を示唆していた首相の「変節」を残念がる声は、自民党員からも上がった。 　横浜市西区の自営業男性（８０）は、公認しながら比例重複を認めない判断について「ちぐはぐで甘い」とばっさり。一部を非公認とする判断にも「駄目なことと分かっていながら隠していたのだから当然」とし、「野党に指摘される恐れもあり、裏金とは関係ない議員まで批判される」と選挙戦への影響を懸念した。首相に対しては「腹をくくってしっかり取り組んでほしい」と注文した。 　一方、永田町の論理そのものを疑問視する見方も。海老名市の男性（８０）は選挙の公認・非公認は「つまらないこと」とし、「国民が判断してくださいとはっきり言い切ればいい。有権者は人物を見て投票するべきだ」と話した。