『ドラゴンズドグマ 2』は50時間プレイしてもまだ底が見えず、「もっと冒険していたい」と思わせる新作だった。1周どころでは全然足りない、何度でも繰り返し遊びたくなる【ネタバレなし】
冒険が終わらない……。 試遊会の後、製品版相当のROMによるレビュー依頼をいただき、すでに50時間以上はプレイしているが、おそらく『ドラゴンズドグマ 2』の世界の半分も見ていない。 【この記事に関連するほかの画像を見る】 この記事を書いている時点で、すでにエンディングを見て、2周目をプレイしている最中なのだが、まだ触れていないジョブや未発見のクエスト、到達していない場所などが多数あり、まだまだ本作を味わい尽くしていないと感じている。 本作の特徴であるキャラクターメイキングも、本来ならばもっとじっくりと腰を据えて作り込みたい……とにかく、まだ遊び尽くせていないし、これから何周もプレイしたくなるのは明白である。 そんな中での執筆にはなるが、本作が『ドラゴンズドグマ』の魅力を受け継いだ正統な続編であることに疑いはなく、満足するまで遊び込んでも、しばらくすれば「またイチから遊んでみたい」と思えるタイトルになる予感がしている。 文/Leyvan ■冒険して戦うことが純粋に楽しい!再構築された新しい『ドラゴンズドグマ』 試遊会で体験した際の記事では、良い意味で前作と変わらない安心感と懐かしさがあるとお伝えしたが、製品版に相当するバージョンでひと通りプレイをした今では、その感覚はより一層強まった。 無印『ドラゴンズドグマ』と、その拡張版である『ドラゴンズドグマ:ダークアリズン』を何周もプレイしていたときのことを思い出すような場面が多く、本作の舞台が「前作とは異なる並行世界のひとつ」と表現されていた意味がとてもよくわかった。 例えば、ゲーム序盤で主人公がドラゴンに心臓を奪われて「覚者」となる瞬間の出来事を思い出すシーンは、前作での導入部分と状況が重なっており、まるでプレイヤー自身が前作の体験を思い出すような作りだ。 そのほかにも、人間の首都である「ヴェルンワース」は、前作の領都グラン・ソレンのような構造をしているし、宿屋の主人は「オバダビィトゥデイ」【※】という空耳台詞で有名なアッサラームさんではないが、やはりヒゲ面の濃い顔立ちの人物である。 戦闘に関しても、ファイターで一閃突きをして敵陣に切り込み、盾弾きで敵の攻撃を捌く感触の良さは「そうそう、これだよこれ!」と言いたくなる安定感で、まさに定番の味と言ったところだ。 『モンスターハンター』シリーズで例えるならば、どのシリーズ作品でも大剣の使用感は大きくは変わらず、抜刀攻撃の使いやすさと溜め斬りの気持ちよさを味わえる……といった感覚に近い。 また、今作では攻撃でひるませて体勢を崩したり、ダウンした状態の敵に対して「渾身の追撃」が可能で、これがまた近接戦闘ジョブの楽しさと気持ちよさを引き上げている要素だ。 ジョブを変更すれば、操作感や戦い方がまるで変わるのも『ドラゴンズドグマ』の魅力で、弓で空中の敵を射抜くアーチャー、大魔法で隕石を召喚したり、巨大な竜巻で敵を一掃するソーサラーなど、さまざまなスタイルで戦える楽しさは今作でも存分に味わえる。 ゴブリンやリザードマン、サイクロプスといった魔物たちは、前作から登場するものはおおよそ戦い方が共通しており、これも前作経験者からすると懐かしくもある。同時に、一部は見たことのない攻撃動作をしたり、場合によっては地形を利用した新たな攻略法を見いだせるなど、新鮮な驚きも感じられた。 ほかにも、アイテムショートカットで方向キー上には体力回復アイテム、方向キー下でスタミナ回復アイテムが手軽に素早く使用できて、方向キー右ではランタンのON/OFFができるなど利便性が向上している点も嬉しい。 変わらないままの面白さを維持しながらも、技術の更新による表現力向上やシステム面での発展の仕方は、『モンスターハンター』シリーズが『モンスターハンター:ワールド』で大きく躍進したときのように、あるいは『バイオハザード4』が『バイオハザード RE:4』として生まれ変わったように、『ドラゴンズドグマ』の持っていた魅力が『ドラゴンズドグマ 2』で“再構築”されたように感じた。 ■旅を続けるほど愛着が湧くメインポーンは、覚者よりも優先して鍛えたくなる「我が子」のような魅力 『ドラゴンズドグマ 2』の魅力を伝えるうえでは、「ポーン」の存在は欠かせない。 ポーンは、覚者であるプレイヤーに付き従う従者で、異界を渡る力がある漂泊の民。『ドラゴンズドグマ』の世界観では、数多の並行世界があり、ポーンたちはそれぞれの世界を行き来しているという設定だ。 これは、プレイヤー同士がネットワークを通して互いのポーンを貸し借りするゲームシステムとも絡めた設定であり、このポーンの貸し借りこそが『ドラゴンズドグマ』のゲーム体験のコアとも言える。 ゲームを始めてすぐに、冒険のあいだ、プレイヤーの傍で戦ってくれる「メインポーン」を作成する。 どんな姿で、どんな性格をしていて、どのような役割(ジョブ)で冒険を助けてくれるのか。それは全てプレイヤーの思いのままだ。 今作では、ポーンの性格が「献身」、「才略」、「純真」、「奔放」の4つに分かれていて、性格によっておおよその行動パターンと、得手不得手が決まる。 例えば、覚者や味方の安全を優先して、回復行動をよく取る献身的な性格のメイジならば、ヒーリングスポットなど回復魔法を上手く扱うヒーラーとして有能だろうし、積極的な攻めが得意な奔放のアーチャーならば、バシバシと敵を射抜いてくれる頼もしいアタッカーになるだろう。 個人的には、覚者とポーンの顔立ちや背格好を寄せつつ、カラーリングと役割が対になるように遊ぶことが多いので、今回の冒険でもそのように設定した。 メインポーンのほかにも、「サポートポーン」として二人雇うことができるのだが、サポート枠にはあらかじめゲームで用意されたポーンのほかにも、他のプレイヤーのポーンを雇って一緒に冒険できる。 もちろん、自分のポーンも他の誰かに雇ってもらい、一緒に冒険をすることで、その冒険の成果としてクエストや魔物の攻略知識、宝箱の場所などといった細かい知識まで覚えて帰って来る。 また、お礼のアイテムとして贈り物をいただいたり、新しい装備を与えてもらった場合は、その装備品をそのまま受け取れるので、たくさん活躍して装備を揃えてもらったときは、「うちの子、よくやった!」と子どもの成長を見守る親のような気持ちになって喜べるのだ。 今回のレビュー期間中でも、うちのポーンを借りて武器から防具まで一式揃えてくれたプレイヤーがいて、とても嬉しくなった。 こちらも相手プレイヤーのポーンを雇って、しばらく交互にポーンの貸し借りを行うなど、『ドラゴンズドグマ』ならではの交流要素を存分に楽しむことができた。 このように、メインポーンを誰かに借りてもらえる喜びが『ドラゴンズドグマ』の遊びとしてひとつの大きなファクターなので、ある意味では覚者よりもメインポーンを強くすることを優先して、なるべく多く借りてもらえるように装備品やスキル構成を練ることもまた本作の醍醐味だ。 ほかにも、今作では「ポーンクエスト」と呼ばれる新要素があり、「サイクロプスを1体討伐する」、「◯◯を入手する」といった目標の設定と、お礼のアイテム、もしくはゴールドを設定することでポーンの積極雇用を促すこともできる。このとき、報酬に設定したアイテムは、ポーンクエストが達成されると相手のプレイヤーへと受け渡される。 最初のポーンクエストは報酬アイテムが「竜の鼓動の欠片」という嬉しい品に設定されており、とりあえず1回は誰かしらに借りてもらいやすい状況にはなるだろう。 それ以降は、「これくらいなら支払ってもいい」と思える範囲で、なるべく借りてもらえるように良い報酬を用意するだとか、自分には不要だけど強力な装備品を他の誰かに譲るつもりで報酬にするなど、新たなコミュニケーション手段としてポーンクエストが活用されることに期待にしたい。 ■探求と冒険は終わらない。何度でも繰り返し遊びたくなる円環の世界 冒頭でもお伝えした通り、すでに2周目のプレイに入っている。正直なところ、早く本稿を書き上げて冒険を再開したい……そんな気持ちでいっぱいだ。 ネタバレ防止のため詳細は省くが、納得のいかない結末になってしまったクエストなどがいくつかあるため、今度の周回では違う結末を見るために前回とは違うアプローチをしながら楽しみたいし、ジョブランク上げを兼ねて色んなジョブを楽しみたい。 『ドラゴンズドグマ』はジョブによってレベルアップ時のステータス成長に差が出るため、突き詰めようとすると、最終装備とスキルを見据えて物理特化型のビルド、魔法特化型のビルドなどを作り上げるために計画的にジョブ変更しながらレベルを上げてプレイする楽しみもある。 そのため、いずれは新規データで気持ちを新たにしてレベル1から冒険をやり直したくなることだろうし、『ダークアリズン』を遊び込んだように、『ドラゴンズドグマ 2』も長い間遊び続けるタイトルになる……そんな予感がしてならない。 『ドラゴンズドグマ 2』は3月22日(金)、PS5、Xbox Series X|S、PC(Steam)に向けて発売予定だ。
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