ワイン醸造用ブドウを収穫する関係者＝南陽市・十分一山

　ワイン醸造用ブドウを試験栽培する南陽市赤湯の十分一山（じゅうぶいちやま）で7日、関係者が収穫作業に励んだ。急傾斜の畑に、生食よりも手がかからないワイン用を栽培し6年目。収量は年々増え、今季は昨年の1.5倍近い約500キロの成果を挙げた。 　十分一山は日当たり良好で水はけも良く、ブドウ栽培適地だが、急傾斜地のため作業に苦労が多い。そのため生産者の高齢化で耕作放棄地が増える傾向にある。県や同市、地元ワイナリーが同市ワインブドウ研究会（須藤孝一会長）を組織し2019年、約15アールの園地にワイン醸造用の苗木を植えた。シャルドネ、メルローなど4種で、昨年は収穫1年目の3倍以上となる約350キロを集めた。 　この日は関係者15人ほどが傾斜に注意を払いながら、たわわに実ったブドウを一房ずつもぎ取った。須藤会長は「状態の良いブドウが多く実った。ブドウ栽培を目指す若い人が増えるといい」と期待した。同市農林課は「十分な収量が見込めるといった試験結果を得られたと思う。新たな担い手確保につなげたい」としている。