61万円のカルティエは“7年で459万円”に。「意外な値動きをした腕時計」3選
―[腕時計投資家・斉藤由貴生]― ⇒【写真】オメガデビルの4853.61という型番は、約4年で50万円以上の値上がり
意外にも凄い値動きをした腕時計3選
腕時計投資家の斉藤由貴生です。 “腕時計が値動きする”ということは、だいぶ認知されたといえます。が、「高くなるのは人気のロレックスやパテックフィリップぐらい」と思われている方が多いようです。しかし実際、高くなる腕時計はロレックスに限りません。数多くのモデルが値動きするのです。 ということで、今回は人気とは程遠いような“マニアックモデル”でありながら、結構高くなったという事例を3つ紹介したいと思います。
エントリー1 オメガデビル4853.61 (5.3倍!)
最初にご紹介するのは、オメガの「デビル」。その4853.61という型番であります。オメガといえば、「スピードマスター」や「シーマスター」といったスポーツモデルが人気である一方、「デビル」といったドレス系モデルの人気はそれらほど高くないといえます。 まして、この4853.61というモデルは、2000年頃に現行品だった存在。今では、この存在を知っているという人はあまりいないでしょう。 知名度が低いモデルであるため、この4853.61は、2020年頃まで約13万円という価格で中古品が販売されていたのです。 4853.61は、デビルの中でも「ジャンピングアワー」という仕掛けを採用したモデル。何時何分の“時”は、文字盤内の小窓で表示し、“分”は針で示す。そのため、針は1本しかありません。 ジャンピングアワーは、雲上と呼ばれるような、高級腕時計の中でも「特に高価格帯」のブランドでラインナップされる傾向がありますが、オメガの4853.61は中古10万円台といった安価な価格帯で入手可能だったのです。 私は、連載している腕時計投資新聞の記事にて、この4853.61を何度か紹介していますが、2017年7月時点で13万8000円、2020年1月時点でも13万4400円と、長きに渡って相場が変わらない様子がありました。 しかし今、そんな4853.61の中古相場が激変。現在では、なんと69万円以上になっているのです。 なお、私は相場を見る際、「ABランク以上」としているのですが、そうした場合、4853.61の現在水準は71万2800円となります。 4853.61は2020年頃まで約13万円といった価格だったわけですから、現在相場は、実に5倍以上といった状態。 この4853.61は、多くの人に知られていない、かなりマニアックな存在だといえますが、これを買っていたならば、5倍といった値上がり体験ができたのです。 まして、4853.61の過去相場である約13万円は、高級腕時計の価格としてはかなり安価。多くの人にとっても、手が出しやすかったといえます。値上がりする時計なんて、100万円以上が当たり前かと思いきや、実は13万円で買ったら5倍になるという事例もあるのです。