春の軽量アウター、上質ナイロンジャケットが旬 大人は「シャカシャカしない」が大事
■ビジネスシーン 柄トップスでさりげなく主張
中村さんにライトアウターを使ったコーディネートを実践してもらった。1組目はビジネスシーンを意識した着こなしだ。色をペールトーン(淡い色調)で統一し、柔和な印象にまとめた。 「ムーレーのジャケットを中心に組みました。ペールトーンの中でも肌の色に近いエクリュ(生成り)カラーは顔や腕まわりをトーンアップしてくれるのが魅力です。春アウターの定番といえる色ですが、ナイロン素材のジャケットという、ひとひねり効いたアイテムであれば人とかぶる心配はありません」 コンパクトなシルエットのトップスと対比するように、ボトムスにはボリュームあるワイドストレートのパンツを着用。足元にはポインテッドトゥのハイヒールを合わせてすっきりとまとめた。 「マットな生地のワイドパンツとツヤのあるパテントレザー(ウレタン樹脂などで表面をエナメル加工した革)のハイヒールを選びました。ワントーンコーデで、のっぺりとした印象に見せないコツは、このように質感が異なる素材を選ぶことです」
■シアー生地・デニムパンツの休日コーデ
2組目は休日を意識したコーディネート。1組目と色違いのジャケットを着用し、色落ちしたデニムなどの春らしいアイテムと合わせた。 「インナーにはジャケットと同色のカーディガンを選びました。シアー生地が使われていますが、少しだけ肌が見える程度の透け具合なので、大人の女性でも取り入れやすいです。ラメ糸を使っているところも今年のトレンドに合っていますね」 色落ちしたデニムパンツにサンダルを合わせ、清涼感のある雰囲気に。スパンコールがきらめくハンドバッグもラグジュアリーなアクセントになっている。 「それぞれのアイテムの素材に個性があるので、シルエットでは主張をせずとことんベーシックにまとめました」 文:山梨幸輝 写真:加藤潤
山梨幸輝
東京出身のライター・編集者。学生時代にファッションブランドで制作アシスタントを経験し、卒業後にフリーランスで活動を開始。雑誌「ポパイ」や「ギンザ」、「ファイン」、「ターザン」などでの執筆のほか、企業のオウンドメディアなどのディレクションも行う。
加藤潤
兵庫県出身のフォトグラファー・ビデオグラファー。幅広いジャンルのWEBメディアや雑誌などで活躍するほか、ファッションブランドのルックやカタログの商品写真、企業の広告用ムービーなども手がける。 ※この記事は「THE NIKKEI MAGAZINE」の記事を再構成して配信しています。