百千家へと繋がる、ひまりと葵の“真実”が明かされる怒濤の神展開に「え?もう終わった?」「あっという間すぎる!」と反響<百千さん家のあやかし王子>
テレビアニメ「百千さん家のあやかし王子」(毎週金曜深夜0:00-0:30、TOKYO MXほか/ABEMA・Huluほかで配信)の第10話が3月8日(金)に放送された。葵はなぜ、百千家に迷い込んだのか。ある日突然、ひまりに亡き両親から遺言状が届いたのは何故なのか。すべての真実が明らかになる本作屈指のエピソードが反響を呼んでいる。 【写真】ひまりと葵の”縁”を仕組んだ黒幕の正体は担任の那智だった ■「百千さん家のあやかし王子」とは 本作は、漫画雑誌「ASUKA」(KADOKAWA)にて、2013年から2019年にかけて連載され、累計発行部数110万部以上、10言語で翻訳・出版されるなど海外でも人気を集めている硝音あやによる漫画が原作。亡き両親の遺言状により、山奥の日本家屋を相続することになったヒロイン・百千ひまり(CV:川井田夏海)と、そこに住み着くあやかしたちとの生活が描かれる。 2015年には実写舞台化もされ好評を得た“あやかし系和風ファンタジー”がこの度、満を持してアニメ化された。「七つの大罪 怨嗟のエジンバラ」のボブ白旗が監督を務め、「うちの会社の小さい先輩の話」の蒼樹靖子がシリーズ構成を担当。アニメーション制作はドライブが担当する。 ■すべては仕組まれた“縁”だった 「此の世は『縁』でできている。そして、『縁』とは自ら手繰り寄せるものだ」 葵(CV大塚剛央)が百千家の御守様に指名されたのも、ひまりが葵と出会ったのも、すべては一人の男が仕組んだことだった。その男とは、ひまりの担任である那智(CV:羽多野渉)。式神を携えて百千家にやってきた那智は、ひまりに葵との出会いについて語る。 幼い頃から人ならざる者の存在が見えていた葵は、同級生たちからは嘘つき呼ばわりされ、両親からは疎まれる存在だった。そんなある日、あの籠目公園で那智と出会った葵。自分の言うことを信じてくれる那智に葵はすぐ懐いた。しかし、那智には葵に近づいた目的があったのだ。 あやかしを統べる力を得るために百千家を探していた那智。だが、御守様になる資格を持った者でなければ、百千家にたどり着くことができない。そこで那智は素質がありそうな子供を籠目公園で探していたのである。黄昏時になると、学生服を着た男の幽霊が現れて子供を攫うという噂はそこから出回ったのだろう。 そして、那智は葵に出会った。山の奥に百千家という誰も使っていない家があり、そこに隠れていたら両親が心配して迎えに来てくれる。そんな那智の言葉を信じた葵は百千家に迷い込み、御守様に任命されたのだ。 那智の目的は、御守様・葵の力を使って幽世からやってくる“侵略者”たるあやかしを排除すること。どうやら、那智はあやかしを憎んでいるようだ。 だが、葵は御守様としての適性が高すぎて、あやかしになりつつあり、その力を制御するには那智にとっても難易度が高い。そこで、那智はひまりを百千家に送り込み、葵に人間としての心を取り戻させ、力を弱めた。つまり、亡き両親から送られきたと思っていた遺言状は那智の偽造だったのである。 ■葵はどこに?手掛かりを教えてくれたのは、まさかのあの人 ひまりを愛しいと思う気持ちによって、人間としての心を取り戻した葵。スランプに陥ったのもそれが一因だった。あやかしとしては弱体化したとも言える葵を制御下に置くべく、那智はやってきたのだ。葵を身動きが取れない状態にした上で連れ去ろうとする那智。助け出そうにも紫と伊勢も身動きが取れず、人間であるひまりには為す術がない。 「御守様……その力で僕は現世に蔓延る全てのあやかしどもを統べる力を得る。そして、人に安寧と正しい秩序をもたらすのだ!」 那智がそう宣言し、錫杖を地面に叩きつけると強い光が放たれる。すると、ひまりが気づいた時には葵、紫や伊勢、小妖怪たちもみんな消えてしまっていた。すぐにひまりは家中を探し回るも葵たちの姿はどこにも見当たらない。 呆然と立ち尽くしていると、そこに現れたのは火車(CV:八代拓)。彼曰く、葵たちは、人の身では決して辿り着けない場所にいるという。どうしたら、そこに辿り着けるのか。方法を問うと、ひまりが幽世へ行き、葵の手掛かりを掴めば、現世と幽世を分かつ那智の術の均衡が壊れると火車が教えてくれる。 しかし、幽世に人間が渡ることはできない。どうしたものか……と火車が考えをめぐらしていたその時、突然タンスが光り出した。光は、ひまりが猫ばぁば(CV:本田貴子)からもらった、たった一度だけけ真実大事な道を照らすという"ほおずき提灯”だ。命を落とすだけでは済まないかもしれないという火車の忠告もはねのけ、提灯を手に幽世へと進んでいった。 それにしても火車はなぜ、葵を連れ戻そうとするひまりにやたらと協力的だったのだろうか。百千家に度々現れては、葵たちを困らせてきた火車。完全に敵キャラだと思っていたが、もしかしたらそうではないのかもしれない。 ■イケメンあやかし軍団に新キャラ参戦! 幽世に入ったひまりは、提灯が導く方向にひたすら歩みを進める。すると、暗闇の中に佇む荘厳な門の前に辿り着くひまり。そこで出会うのが、門番の八渦(CV:阿部敦)だ。ここにきて、本作に新たなイケメンが登場した。「良い酒の肴になりそうだ……食わせてくれ……」とひまりに迫る八渦は怪しさ満点。しかし、酒がもうないと気づくと騒ぎ出しコメディ調に。早速人気が出そうなキャラクターだ。 八渦からひまりは門への通行手形として自分の魂を求められるが、「鬼灯提灯」が代わりとなり、どうにか門の中へ通してもらう。そこは万物の記憶が眠る蔵『思ほゆの棚』だった。人が生まれてから現在までの記憶が棚に保管されており、葵とひまりの分もある。ただし、棚は一度きりしか開けることができない。そこで試されるのが、ひまりの葵に対する思いだ。 遺言状も那智の偽造だと分かった今、ひまりと亡き両親を結びつけるものは何もない。自分の棚を開ければ、両親の思いや記憶といった手掛かりは得られるが、代わりに葵に関する手掛かりは得られないことになる。 また、そこには生者の記憶しか保存されておらず、死者の記憶は消えてしまうというのだ。つまり、ひまりが自分の棚を開けなかった場合、赤子の頃の両親に関する記憶は一生誰の目にも晒されることはない。人は忘れられた時に、本当の死を迎えると言われる。己が両親に二度目の死を与えることになるとひまりに厳しい一言を告げる八渦。それでも、ひまりは葛藤の末に葵の棚を開けるという選択をした。 「お父さんとお母さんの娘は愛する人たちを守れる人間だって。あなたたちののこしたものは素晴らしいものなんだって! 一生かけて、証明してみせる!」 その強い決意が葵の棚の鍵を開けた。ひまりは強い。守られているだけではない、愛する人を守る強さを持った現代のヒロイン像を体現している。そんなひまりを八渦も気に入った様子。八渦が「次は酒がある時に会おう」とキザに投げキッスを決めて、門を出ていった後、ひまりは葵の棚を開ける。すると、目の前に現れたのは幼い頃の葵。ひまりは迷い子のままでいる葵に帰り道を照らすことはできるのだろうか。 全ての謎が繋がる本作始まって以来、屈指のエピソードに、視聴者からは「え?もう終わった?3分くらいしか経ってなくない?」「あっという間すぎる!」「次回の葵のお話もたのしみにしています!」といった感想が上がっている。 ■文/苫とり子