社会的フレイルに注意/医師で作家・鎌田實の「鎌田式 究極の若返り健康術」
「鎌田式 究極の若返り健康術」<34> フレイルは筋肉が虚弱を起こしていることを言いますが、社会に出て行かなくなる社会的虚弱というのも、うつ病や認知症の大きな問題です。 ・テレビ3・5時間以上は要注意 英国の研究チームが、サイエンティフィックリポートに発表した論文を読むと、50歳以上の男女約3600人を対象に単語記憶テストを実施した結果、テレビの視聴時間が1日平均3・5時間以上の人は、それ以下の人に比べて、短期記憶力が低下していることがわかりました。テレビを見ることは一方的に情報を受け取るだけで、自分で物事を考えることから遠ざかってしまうので、脳はあまり使われていないのです。 ・出無精になるな 他人と交流しないことのリスクは、健康長寿を研究する日本老年学的評価研究プロジェクトが明らかにしています。 65歳以上の高齢者約1万2000人を対象に調査したところ、同居する人以外の人との交流が週1回未満の場合、認知症の発症リスクが1・39倍になったと言います。これが高じると、やがて外出や人との交流を面倒くさがるようになります。すると認知機能は衰えたり、精神心理面への悪影響や閉じこもりなどの深刻な問題につながるのです。 1人の時間が好きな人は、生活パターンを工夫する必要があります。家に閉じこもるのではなく、ランチを食べに行ったり、お酒の好きな人は焼き鳥屋やバーなど一人静かに飲める所を見つけたり、図書館へ行くのもいい。月に一度一人で映画を見に行くなんて言うのもしゃれていると思います。