石破首相、続投の意向表明 1強崩壊、野党との政策協議で政権維持へ
15年ぶりに自民、公明両党で過半数を割る結果となった衆院選から一夜明けた28日、石破茂首相(自民党総裁)は党本部での記者会見で、「厳しい安全保障環境、経済環境の中、国政は一時たりとも停滞は許されない」と述べ、自身の進退について「職責を果たしていきたい」と続投の意向を表明した。今回の衆院選で「自民1強」は崩壊し、政権基盤は流動化の様相を強める。強力な野党勢力が国会に出現する事態に、石破氏は野党側との政策協議で政権維持を図る方針だ。 【写真】公明党の石井啓一代表(左)と政策合意のサインを交わす自民党の石破茂首相=2024年10月28日午後1時5分、国会内、岩下毅撮影 石破氏は会見で、与党大敗の結果に「極めて厳しい審判を頂いた」と改めて語ったが、「政治改革や経済対策に先頭になって取り組む」と述べ、続投への意欲を強調。党執行部では、森山裕幹事長もすでに続投を表明しており、小泉進次郎選挙対策委員長だけが28日、引責辞任した。 与党は今回の衆院選で公示前から64議席減の215議席の獲得にとどまり、国会運営に欠かせない過半数(233議席)を割った。一方、立憲民主党は50議席増の148議席、国民民主党は4倍の28議席と大幅に勢力を拡大。石破氏は「(野党の)政策について、私どもの足らざるところ、改めるべきところは積極的に取り入れていきたい」と述べ、野党との政策協議に臨む方針を示した。ただ、「今、連立を想定しているわけではない」と語り、直ちに自公連立政権の枠組みの拡大を図ることには否定的な考えを示した。
朝日新聞社