1760年創業の老舗ブランド「KERRY WOOLLEN MILLS(ケリー ウーレン ミルズ)」でアラン ケーブル セーターの歴史を紐解く
イングランドやスコットランド、アイルランド製のニットは世界でも有名なブランドが多く、昔からニットウエア作りが盛んな土地としても知られている。そんなニットブランドの中でも「KERRY WOOLLEN MILLS(ケリー ウーレン ミルズ)」という1760年創業と260年以上の歴史を持った、老舗中の老舗ブランドを紹介したい。 今回は日本代理店である株式会社ブルームーンカンパニー マーケティング部 マネージャー 川島あいさんと、商品部 サブマネージャー 圡屋紗紀さんにお話を伺った。
ケーブル柄に込められた意味と願い
ブランドのルーツを伺う前に「アラン ケーブル セーター」のルーツついてお話ししておきたい。アラン ケーブル セーターは、海に船を出す夫や息子のために女性たちがセーターを編んだことが始まりだといわれている。 独特なケーブル柄にはそれぞれ意味があり、その柄を組み合わせて作られるので、昔はその家々で柄が異なっていたという。それが長い時を経て、ファッションとして広まっていった。 縄柄は大漁や航海の安全、ダイヤ柄は富や成功、ハニカム柄は子孫繁栄の他にも諸説あり、魚網を広げた様子という説もある。古くからこのような意味をも持たせながらアラン ケーブル セーターは編まれてきた。
ブランドネームの由来はアイルランドの自然豊かなケリーというカウンティー
まずはKERRY WOOLLEN MILLSの長い歴史から圡屋さんにお話しいただいた。 「ブランド発祥の地はアイルランドの豊かな自然に囲まれたケリーという土地で始まり、ブランドネームの由来にもなっています。今でもこの土地が拠点のひとつとなってブランド展開されています。アラン ケーブル セーターはファッションアイテムでもあり、この土地の民芸品や土産品としての側面もあります」
「1904年になるとイーディー家という一族がブランドを引き継いで、ブランドは継続されることになります。セーター作りの他にKERRY WOOLLEN MILLS名義の毛糸が販売されたり、異なるブランドが展開されたり、テキスタイルなども手がけ、イーディー家が手がけるビジネスは大きな規模になっていきます」
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