【識者展望】森保ジャパン、W杯最終予選は楽勝? 苦戦? 豪州&サウジと戦い慣れているのはメリット。理想は2試合を残して2位以内確定
ザックジャパンの二の舞は避けたい
筆者が多少、懸念しているのは、最初の2試合を戦う9月は欧州リーグが開幕したばかりで、日本の主力の大半を占める“欧州組”のコンディションが100とは言い難いことだ。開幕戦からスタメンで出られていない選手はなおさらだろう。 日程を見ると9月5日の初戦がホームの中国戦、同10日がアウェーのバーレーン戦となるが、第二次森保ジャパンに複数回、招集されているメンバーが30人を超える選手層を考えれば、その時にしっかりと試合に出ている選手を中心に招集、起用を考えても良いのではないか。 最終的に首位突破を決めた前回も、苦戦した理由が最初のオマーン戦に敗れたことだった。そして10月には前回と全く同じ順番で、アウェーのサウジアラビア戦、ホームのオーストラリア戦が待っている。9月の2試合で連勝して、良い流れで10月シリーズに乗り込んでいきたい。 まず何より大事なのは最終予選を突破して、無事に本大会へと駒を進めることだが、世界で勝つことを目ざすためには、最後の2試合を待たずに突破を決めることが理想ではある。 2014年のザックジャパンでは、5か国で最終予選を戦い、7試合目となる6月のオーストラリア戦で突破を決めたが、実は3月にアウェーのヨルダン戦で勝利すれば、2試合を残して突破が決まるはずだった。 しかし、1-2でまさかの敗戦となり、突破が6月シリーズに持ち越されたことで、テスト的なメンバーを招集することができず、そのままW杯のプレ大会だったコンフェデレーションズカップに臨むことになった。 そのことで新戦力のテストが後手後手になり、惨敗に終わったブラジルW杯に大きく響いたことは、日本代表の苦い経験であり、教訓でもある。 予選後、本大会を見据えた残り1年のマッチメイクがどうなるかは現時点で知る由もないが、最終的に突破を決めるのはマストとして、できる限り勝点3を重ねていって、来年3月の2試合目となるホームのサウジアラビア戦までに2位以内を確定させて、最後の2試合は世界への足がかりにすることができたら理想的だ。 文●河治良幸