RIIZEの止まらない躍進──いまメンバーたちが考えていることは?
昨年9月にデビューしたばかりのRIIZE。「成長する」という意味の「Rise」と「実現する」という意味の「Realize」を組み合わせ、「一緒に成長して夢を実現し、進んでいく」という意味を込めたグループ名にふさわしい活躍をみせる彼らが、『GQ KOREA』の一問一答形式のインタビューに答えた。 【写真をみる】ウォンビン、ショウタロウ、ソヒ、ウンソク、ソンチャン、アントンに訊く!
■ウォンビン ──自分の“名刺代わり”のアイテムは? ギターピック。ちょっと似ていませんか? ──「私は〇〇なときに〇〇 をする」。〇〇を埋めてください。 僕はステージに上がる前、祈りを捧げる(右手の人差し指で空を指して、両手を組んで)。いつもこうしています。カッコつけないといけないとき、ビッグイベントがあるとき、必ずそうするんです。宗教的な意味というわけではなくて祈る気持ちでやりはじめました。忘れるとミスに繋がりそうで、強迫観念のように続けています。 ──あなたにとって練習室の壁とは? それなんですけど(笑)、歌がうまく歌えないときに、壁にこうやって両腕を伸ばしてよりかかります。そうすると間に小さいスペースが生まれて、居心地がよくて、気持ちが落ち着きます。一人で静かにいる感じですね。 ──自叙伝にタイトルをつけるなら? 『星』。星が好きで、スターになりたいし、名前の「ビン」は漢字で「彬」って書くんですけど、光るっていう意味なんです。ソウルに上京するとき、親が星の形のネックレスを作ってくれたんですよ。あんまり好きじゃなかったのですが、肌身離さず持っているうちに、好きになりました。 ──自叙伝はどんな感じ? たくさんのストーリーで埋まると思います。DMでスカウトされたエピソードより、もっと前のことから、書きたいですね。心の片隅で、芸能人になりたいってずっと思っていました。親と一緒に歌手のキム・グァンソクとかマイケル・ジャクソンの歌とかを聴いて育って。小さい頃は英語も分からなかったので、韓国語の発音で歌詞を書いて歌っていました。ギターはお父さんが弾けたので、教えてもらいながら僕も弾けるようになりました。歌は恥ずかしかったんですけど、友達たちに乗せられて歌ってみたら、心にぐっとくるものがあって……でも芸能人になるという大きな夢は抱いてなくて、心の赴くままにやっていこうって思っていました。その矢先にスカウトされて、これはやるしかないって思いました。大きな峠を一回一回越えながらやっている感じです。自分にできるのか、いつも疑いながらやっています。大舞台でギターのソロライブができたときも、東京ドームで8分近いパフォーマンスをやってのけたときも。でもそうやって一つ一つこなしていきながら「自分はこんなこともできるんだな!」って気づいて、目標がまた増えていきます。 ──ギターを初めて習った10歳の頃の自分に未来から伝えたいことは? 「芸能人になりたいって気持ち、無理だって思わないで。今からでも歌、ダンス、ギターの練習をたくさんしておいてね。でも、練習生は高校生になってから」 ──新しくカレンダーに丸をつけるなら? 5月のある一日。季節によって香りが違うっていうじゃないですか。5月って少し暑くて、少し明るくて、涼しげな香りのイメージなんですよ。RIIZEのプロモーションが本格始動した季節です。5月になればそのときの気持ちに戻れる気がして、もう一度決意を改めたいです。長く続けても「まだまだ未熟だから」って、謙虚な気持ちでいたい。 ──自分の心の色は? 青。暗い色にカウントされることもあるけど、明るい色にも当てはまるからです。 ■ショウタロウ ──自分の“名刺代わり”のアイテムは? アクセサリー。普段からつけていますし、ダンスのときもつけています。感情をこめて気持ちを表現したり、ダンスをもっと華やかに見せたりするときにも。シンプルにカッコいいって理由で、つけるときもあります。 ──自分の“超能力”といえば? 勘が鋭い。他のメンバーがどんなこと考えているのか、大体は予想できます。長年いっしょに過ごしながら、いろんなことを喋ったからですかね。横にいるメンバーが何を考えているかよく想像するんですけど、大半は当たっています。一番ピンとくるのがウォンビン、ピンとこないのがウンソクですね(笑)。 ──最近気になることは? 今の仕事をいつまでやっていけるか。できれば、今後も続けたいです。身体もメンタルも健康に気を付けながら、あとファンともしっかり交流したい。MAMA AWARDSでSEVENTEENの受賞スピーチを聞いたのですが、これまでの足取りが一瞬で伝わってきて涙ぐんじゃいました。紆余曲折を経験しながらでも、あんなふうにカッコいいアーティストになりたいって思いました。 ──湯船に浸かりながら考えることは? 考えたりしません(笑)。音楽を聴いたり、流行りのコンテンツを見たりします。 ──ダンスが教えてくれたことは? 社会のこと。それと、人間関係のプレゼント。ダンスなしには、なにも得られませんでした。今こうしていられるのも、ダンスのおかげです。中学生のころ、「燃える」レベルでダンスにハマりました。目標を立てて、その目標に向かって一生懸命取り組みました。オーディションに受かると、自信に繋がって、それからは着実にここまで来られました。振付を考えるのも好きです。RIIZEの音楽に合わせて「この歌はこんな感じがいいかも?」(踊るように)と思うままに踊ったりもします。フィーリングに乗って案を出して、ウォンビンがそれをうまく形にしてくれます。夢の中でもダンスしていたことがあって。授賞式のパフォーマンスの練習をしなが ら「Siren」を何度も聴きました。振付を考えるのもすごくハードでしたね。授賞式ver.は長いし、ブレイクダンスも入っていて。練習のしすぎで、夢の中でもサイレンが聞こえてきました。悪夢だったのかも?(笑) ──ステージがくれた快感とは? バックダンサー時代に、東京ドームで踊ったことがありました。MAMA AWARDSで今回東京ドームの舞台に再び立てたときの快感は、忘れられません。音楽が流れる瞬間鳥肌が立って、心臓もバクバク鳴って、遊園地のアトラクションに乗る直前みたいでした。エネルギーもMax!「なんで僕がここに?」って感じでした。 ──ステージでの気持ちを色にたとえるなら? 濃い赤。 ──もう一度リプレイしたい瞬間は? 「Memories」のMVをロスで撮影したとき。その日はすごく暑くて、砂漠みたいなロケ地で撮影したんですよ。撮影最終日、夕暮れの中で盛り上がって踊ったワンシーンがはっきり思い出せます。その瞬間が、すごく綺麗でした。 ──自分と瓜二つの人がこの世にいたら? 疲れているとき、代わりに仕事してもらいたいですね(大笑)。 ■ソヒ ──あなたのかわいさはどこ? ぶっ飛んでいるところ? ──ソヒのソヒらしいところは? 明るいところ? ──最高レベルのアイドルですか? まだ最高レベルには辿り着けていませんが、いつかはなれそうです。 ──自分のアイドル力は? デビューして3カ月しか経ってないから、30%くらい? 低すぎ? じゃあ70%で! ──自分のアイドル力のなかで、自慢できるポイントは? ステージでファンの皆さんと交流するとき。自分のパートじゃないときは、見に来てくれたファンの人たちとできる限りアイコンタクトをとっています。戦略というわけじゃなくて、自然とそうなりました。 ──動物にたとえるなら? ネズミです。学生の頃からみんなにネズミに似ている! って言われていました。見た目も性格も(笑)。逆に猫みたいとか、犬みたいって、どういう感じなんですか? ──人間観察はしていますか? メンバーや他の人と仕事するとき、その人がどんな人か深いところまで研究しています。意識してやっているわけじゃなくて、もともとこういう性格みたいです。観察して、研究して、その人への接し方が分かれば、一緒にやっていきやすいし。いい関係を続ける秘訣です。 ──ステージの上の自分はどんな感じ? すっごく興奮します。緊張もするけど、ステージに立つと楽しいです。観客が乗ってくれれば、力も湧いてきます。うまくいかなかったことも、うまくいって。KCON LAの初舞台は、緊張しっぱなしでした。緊張しているのがバレバレだったと思います。平気でしたか? ホントに? ダンスしたり歌ったりしていると、緊張をうまく隠せているのかも、緊張しすぎて忘れているだけなのかも、分からなくて。ただ、本当に楽しんでいたのは確かです。 ──成長したこと(Rise)は? カメラの前でコメントすること。ステージ上でパフォーマンスすること。 ──実現できたこと(Realize)は? デビュー! ──2024年にかける期待は? 2024年はRIIZEの新曲がもっとリリースされます。スケールの大きいものじゃなくてもいいので、自分たちだけのステージやコンサートを開いてみたい。ソロ・ステージもしてみたいし、ステージを駆け回って遊んでみたい! ──ほかのメンバーのうらやましいところは? ウンソクさんの揺るぎない平然な姿勢。僕にはないから。 ──自分がかわいいと思うのは、どんなとき? 練習室でボーカルの練習を一人でしているとき。まだ記録にとってはいません。 ──“心のシートベルト”は? つらいときも「そのうち過ぎる」と思うことにしています。ウンソクさんも同じこと言っていたんですか? でも僕が最初ですよ。ホントです(笑)。中学生の頃からそう思っていました。そのうち過ぎ去るって思うことで、不安もつらい状況も耐えてきました。 ──自分のことが好きですか? 大好きですよ、僕なので。 ■ウンソク ──自分の心の色は? スカイブルー。「Memories」のジャケットの色です。僕の考える空色は、その一色ですね。自由な感じもするし。僕ですか? いろんなことに縛られない人間でいたいですね。そう思ってはいても、現実は思い通りにはいかなくて(笑)。 ──“心のシートベルト”は? 「そういうこともある」って考えるようにしています。イマイチだったりミスしても、「そういうこともある」って考えれば、深刻に考えずまた次にいけるので。誰かに言われたわけじゃなくて、自分で気づいた知恵ですかね。些細なことに気を取られすぎて、エネルギーを無駄遣いしたくもないので。 ──よく考えるぶっ飛んだことは? 哲学的な動画をYouTubeでよく見ます。この世をシミュレーションと仮定した話を聞いて、本当にそうかもしれないって思いました。発想の転換が面白くて。この世がシミュレーションだったとしても、僕は今と同じように過ごすと思います。この世界が僕にとって、それでも本物だから。 ──自分と瓜二つの人がこの世にいたら? 不思議ですね。性格まで丸々同じかも気になりますね。自分の性格と同じかどうか……MBTIでも聞いてみます。あとは外出するのが好きなのか、僕みたいに面倒くさがりなのか、聞いてみたいです。 ──人間らしさとは? 働くのが人間だと思います。前に長期間休んだことがあって、その時は不安でした。何かやっていても、落ち着かなくて。ステージに立ったり練習をしたりしていると、身体は疲れても気持ちの面の不安は消えますね。 ──強い人とはどんな人? 自分のことを信じている人。僕は50%くらいですかね。もっと信じられるようになりたいです。まず怠け癖を克服しないと(笑)。 ──グッときた応援の言葉は? 「君のおかげで人生が変わった」。自分のやっていることが誰かを変えること、それにやり甲斐を覚えますね。僕自身が他の人のことを支える存在になれるのが不思議ですし、そこからもっと頑張ろうという力に繋がります。 ──自分のペースを守るコツは? 成長しないと、そこで人は止まってしまいます。少しずつでも成長するほうが、立ち止まるよりいいと思います。でも、うまくいかないときは、これもそのうち過ぎると思って、時を待つ。本当に辛くて練習も上手くいかない、そんなときもある。そういう日は少し休んで、コンディションが整った日にもっと頑張る。変に焦らないようにしています。もともとそういう性格みたいですし。 ──声をプレゼントしてあげたいキャラクターは? 「名探偵コナン」。かっこいいじゃないですか。僕の声とピッタリじゃないですか。 ──ほかのメンバーから手に入れたい“超能力”は? ショウタロウさんの優しさです。一緒にいると場も和むし、周りも友達でいつも溢れていて。 ──自分の“超能力”は? 感情を露にしないポーカーフェイス。 ──2024年への期待感は? 僕たちは成長していきます。そのはじまりのすべてに期待しています。 ■ソンチャン ──成長したこと(Rise)は? RIIZEの活動をしながら、ステージを楽しむ気持ちの余裕が少し生まれました。それと、チームが一つになりながら成長できました。今までは、生活のリズムがないまま暮らしていたんですよ。その時々で動いたりして、一日の計画を立てることもなくて。RIIZEで一日一日を忙しく過ごしながら、生活パターンも気にかけるようになりました。なかでも筋トレは毎日しっかり続けていきたいです。ルーティンを決めて生活をしながら、僕も成長しました。 ──実現できたこと(Realize)は? 2023年はいくつも新人賞を受賞しました。それが一番大きな成果ですかね、今のところは。公演に至るまでの見えない道のりも、満足できる成果です。それも実現できたことの一つです。2024年にはもっといいステージとパフォーマンスで「パフォーマンス・オブ・ザ・イヤー」みたいな賞も取りたいです。一度賞をもらうと、意欲が湧いてきますね。もっと頑張って、また賞をもらいたいです。 ──心理学者になって研究したいテーマはありますか? そうなんですよ、心理学にちょっとハマっていて。恋愛番組を観るのが好きなんですけど(笑)。その影響ですね。僕だったら、人とフレキシブルに接する方法を研究してみたいです。 ──今になって分かったことを、〇〇歳の自分に伝えるなら? 中学生……いや、違うかな。僕は今が一番いいです。自分の過去を変えてしまったら、今の僕がいなくなっちゃいますよね。些細な理由で今の僕がいなくなる可能性があるなら、今のままがいいです。これまでの時間があってこそ、今の僕がいるので。 ──自分と瓜二つの人がこの世にいたら? ご飯を食べ終わったら、サッカーに行くことしか頭になかったんですよ、昔は。それくらいサッカーが大好きでしたね。小5のときに校庭で友達とサッカーをしていたら、サッカー部に正式に入部してみないかってスカウトされて。フォワードをやっていました。サッカーをやめずに続けた僕が、パラレルワールドでサッカーしている姿が見てみたいです。 ──「GYM JONG KOOK」(YouTubeの筋トレ番組)出演が叶ったら? キム・ジョングクさんに聞いてみたいことがあります。どこをどう鍛えているのか。背中とか肩、胸なのか、僕がつけたらいい筋肉がどこなのか教えてもらいたくて、客観的に(笑)。プロローグシングルの「Memories」のMVに、僕とアントンが上着を脱ぐシーンがあるじゃないですか。どんな鍛え方しているのか、ファンのみんなも気になると思うし。出演してみたいな、って。 ──自分が番組で筋トレを教えることになったら? 自分一人でジムまで行くのが一番大変なんですよ。どんなに行きたくなくても行く気になるのは、ちょっと変われた自分と出会えるからで。ちゃんと鍛えたのに、勿体ないじゃないですか。だから結局行く。「行くだけ行こう」って、伝えたいですね。まずは身体を動かすことから。その後は、何でもやる気になります。 ──自分の心の色は? 赤。こうしたい!っていう気持ちがいつもあります。メラメラ燃える感じですかね。 ■アントン ──ハグした人は? 弟。離れて暮らしているから、ときどき絵文字の「ハグする人」を送ります。「Miss You」って。 ──あなたらしいと言われるときは? 英語で話しているとき。 ──お気に入りの一文は? Carpe Diem。ラテン語です。英語だと「Seize The Day」、今日という日を大切に、という意味ですかね? 小さいころ、自然と耳に入ってきた言葉です。意味が素敵なモットーだと思っていて。いつも頭の中にあるわけじゃないけど、頻繁に思い浮かべたいです。 ──「自分らしさ」を感じるときは? スケジュールを終えて、寮に帰ってヘッドフォンをつけて音楽制作をしているとき。最近だと、デビュー後の感情を表現する音楽を作っています。いろいろな感情が生まれて、今でもその感情に浸ったりもします。どれか一つに絞れない、たくさんの感情を音楽で表現するのが目標です。 ──「私は〇〇なときに〇〇をする」。〇〇を埋めてください。 僕はつらいとき、写真を見る。弟がまだ赤ちゃんのときの写真です。 ──子ども時代に音楽プロデューサーであるお父さま、ユンサンの曲を歌っていますね。 すごく不思議なのですが、最近のことより赤ん坊のころのほうが記憶に残っていて。その歌を歌ったのが5歳のときで、録音したらお父さんにプレゼントを買ってもらう約束でした。お父さんが歌っていた「그땐 몰랐던 일들(当時は知らなかったこと)」をキッズver.で録音した曲です。プレゼントにニンテンドーDSをもらいました。 ──この曲には「お父さんも知らないことってあるの?」という歌詞がありますね。 歌詞が……ちょっと涙ぐんじゃう。当時の記憶が蘇りますね。歌詞の意味すら分からないのに歌っていて、かわいいですね。かわいい。今お父さんに訊いてみたいこと……後悔していること、かな。お父さんも後悔したことがあるのか。そういうときはどうしているのか。知りたいです。よく知らないので。 ──自分に訊いてみたいことは? どうすれば自分に満足できるのか、ですね。まだ分からないので。 ──成長したこと(Rise)は? デビューしたての頃、シャイで静かで、あらゆることに驚きやすい少年として、皆さんに認知してもらったと思います。その姿も自分らしいですが、自分は意欲的な人間だと思っています。だから、もっといろいろな姿が見せられるようにしたい。それに向かって努力しているのが、成長したところですかね。新しくはじめることを見てもらって、成長したと思ってもらうのが目標です。 ──実現できたこと(Realize)は? Realizeには悟るっていう意味もありますよね。デビュー後は、精神的に疲れていたときもありました。でも、こんなにたくさんの人に応援してもらって、好かれたこともなかったなって悟ったんです。一番大きな支えでした。 ──新しくカレンダーに丸をつけるなら? なんといっても2024年の9月4日、デビュー1周年の日です。その日の自分がどんなふうか気になります。その日の自分に言いたいことは、「これからもずっと頑張り続けて、もっともっと前進しよう」です。 RIIZE/ライズ 韓国のボーイズグループ。SMエンタテインメント所属。2023年9月4日、シングル「Get A Guitar」でデビュー。ルイ・ヴィトンのアンバサダーでもある。 From GQ KOREA WORDS BY SHIN HYE JEE, CHUN HEE RAN, KIM EUN HEE PHOTOGRAPHS BY JANG DUK HWA STYLED BY KIM YE JIN TRANSLATION BY YUKI KONNO