公立高入試に前期、後期導入-県民の受け止めは 「望ましい」「課題ある」二分
県教育委員会が2026年度公立高入試から前期(特色)選抜と後期(一般)選抜を導入することを受け、山形新聞の「寄り添うぶんちゃん取材班」は県民の受け止めを聞いた。「望ましい」「課題がある」は、ほぼ半分に割れた。受験機会の複数化を支持する一方、モチベーションや公平感を維持できるのか不安視する声もあった。 県教委が23年度に示した新たな入試制度では、推薦入試がない普通科でも受験機会の複数化を挙げた。前期は個人面接、集団面接、作文、発表、その他(小論文、実技、口頭試問、学校ごとの学力検査など)から一~三つを学校が選ぶことになり、後期は現行の学力検査で3月7日に行う。 回答は50人ほどからあり、「望ましい」が42%、「課題がある」が37%と意見が分かれた。「どちらとも言えない」は17%、「その他」は4%だった。 「望ましい」の意見では「リベンジのチャンスを与えて」(舟形町の40代主婦)との声があった。「県立高校の定員割れを防ぐ効果もあるのでは」(大蔵村の60代主婦)、「探究的な学習などが前期で問われることで3年間の学びが評価される」(天童市の50代中学教諭男性)との意見もあった。
「課題がある」とする意見について、受験機会が増えることの影響を懸念し「生徒も教師も負担増」(鶴岡市の70代無職男性)との考えが寄せられた。「後期選抜の受験生のモチベーション維持が心配」(山形市の50代パート従業員女性)とする意見があった一方で、「高校受験だけ学力重視以外で間口を広げても、本当に子どもたちの将来のためになるのか」(山形市の50代看護師女性)との指摘があった。 「どちらとも言えない」との回答では「全体像が見えないと何とも言えない」(山形市の50代公務員女性)などがあり、これらに該当しない意見では変更の必要はなかったとする考えも寄せられた。 定員割れ是正期待/学力差生じる懸念・学習塾関係者 県教委の入試改革に関し、県内で学習塾を展開する関係者は定員割れが続く現状の是正に期待する一方、入学後に学力差が生じることを懸念した。生徒の心理的負担や教員の業務的負担の増加を心配する声もあった。