<高校野球>磨いたメンタル、七回2死まで無安打 市和歌山・岩本が開幕戦飾る
大きい緊張感に包まれ、開会式直後で調整も難しい開幕試合。市和歌山の2年生左腕・岩本がきっちり役目を果たした。 直球は130キロ前後で、飛び抜けた球威があるわけではない。しかし、テンポが良く、変化球も含めて球に切れがあり、打者の内外角に投げ分けた。1点リードの三回2死二、三塁のピンチでは、呉の右打者の3番・沼田仁に対し、外角攻めで追い込むと、最後は内角に鋭く曲がるカーブを決めて空振り三振に仕留めた。持ち味を十分に発揮し、七回2死まで無安打無得点投球を演じた。 冬場は走り込みのメニューを足の速い選手と一緒に取り組んだという。「自分に負けないように」と食らいつくトレーニングで、下半身の強化だけでなく、自らの心も追い込んだ。磨いたメンタルの強さを開幕試合で示した形だ。 市和歌山は市和歌山商時代の第39回大会(1967年)の初戦の三重戦で、野上俊夫が無安打無得点試合を達成。チーム史上2回目の快挙こそ逃したが、2失点で完投勝ち。市立校対決を制し、平成最後のセンバツで最初の花を咲かせた。【新井隆一】