「松本城の日」に天国へ コブハクチョウのニノちゃん 長野県松本市
国宝松本城(長野県松本市)の東側の内堀で市松本城管理課が飼育していた雄のコブハクチョウが、10日に死んだ。平成12(2000)年に太鼓門の復元を祝って滋賀県彦根市から寄贈された雄の「彦ちゃん」と雌の「松ちゃん」が生んだ3羽のうちの1羽で、推定18歳で老衰とみられる。3羽のうち別の雌1羽は令和2年に死んでおり、お堀で飼育されている白鳥は推定22歳の雌1羽のみとなった。 松本城管理課によると、10日午前7時20分ころ、警備員が内堀に通じている外堀の北東で水面に顔がついたまま動かなくなっているコブハクチョウを見つけた。県松本家畜保健衛生所と市保健所が行った鳥インフルエンザの簡易検査は陰性で、同日に火葬された。 正式な名前はなかったが、二の丸側のお堀にすみ着いていたので住民や管理課職員から「ニノちゃん」と呼ばれて親しまれていた。写真投稿サイト・インスタグラムの松本城公式アカウントにも多く登場している。 管理課の職員で白鳥の世話をしていた小松伸康さん(42)は「食いしん坊で活発な子だった。18年間、松本城のお堀にいてくれてありがとう」と涙ながらに語った。死ぬ前日に餌をやろうとしたが、珍しく寄ってこなかったという。 死んだ11月10日は「松本城の日」。親鳥の彦ちゃんが死んだ日は松本城に伝わる二十六夜神伝説の1月26日で、2羽とも松本城ゆかりの日に死んだ。管理課の松岡由香課長は「愛された白鳥だっただけに、寂しい。白鳥は残り1羽になってしまったが、来場者にかわいがってもらいたい」と話している。
市民タイムス