岩屋川内ダムにゴジラ出現 高圧洗浄機で壁面アート 完成50周年記念
佐賀県が管理する岩屋川内ダム(嬉野市嬉野町)で16日、完成50年を記念したイベントがあった。高圧洗浄機を使って下流側堤体にゴジラを描くダムアートの制作が進んでおり、訪れた約600人が壁に浮かび上がった迫力満点のゴジラを鑑賞した。22日をめどに完成し、今後2年間ほどゴジラの姿が残るという。 50周年記念のダムアートは、横倒しにしたゴジラと佐賀県の形が似ている縁から県が企画する「ゴジラ対(つい)サガ」の一環で実現した。 ドイツの高圧洗浄機メーカー「ケルヒャー」の制作チームが、壁に生えたこけなど50年分の汚れを落とし、洗浄部分と未洗浄部分の濃淡でゴジラやビルを描き出している。日本でダムアートに取り組むのは2例目で、同社広報は「ドイツでは花など自然物が中心で、キャラクターを描くのは初めて」と話した。 キャンバスとなる堤体は高さ約60メートル、幅約190メートルと巨大で、洗浄担当のドイツ人3人がロープを伝いながら慎重に作業を進める。16日までに7割ほど制作が進んだ。同社は「気象条件にもよるが、2年は消えずに残るだろう」とする。 ダム直下の見学スペースは2025年1月26日まで(年末年始を除く)の午前9時から午後4時まで開放する。ダム駐車場からは片道約1キロ。堤体上道路は現在、工事のため通行止めになっており、ダムアートの完成後に通行可能となる。 イベントではダム内部の見学会があり、参加者はダムの構造を学びながら通路の壁に思い思いの絵を残した。県営の平木場ダムでも40周年を記念したイベントがあった。(市原康史)
市原康史