新紙幣きょう発行…県警「旧紙幣が使えない」は「詐欺」を疑って
20年ぶりとなる新しい紙幣が3日発行され、島根県内でも券売機対応などの準備が進んでいる。一方で業種によっては温度差もあり、県警は、切り替えに乗じた詐欺被害などへの注意を呼びかけている。(松浦彩、門脇統悟、安井文子) 【画像】様々な紙幣が並ぶ会場(島根県浜田市で)
「大きな出費だったが、これで新紙幣を安心して迎えられます」。松江市千鳥町の公衆浴場「ちどり湯」のスタッフ(45)は、安堵した表情を浮かべた。 同浴場は2021年11月に新500円硬貨が発行された際、券売機更新の対応が遅れたという。今回は当時の苦労を踏まえ、年明けの早い時期からメーカー側に相談し、4月中旬に手続きを済ませた。費用は約15万円。 ただ、湯上がりに欠かせない飲み物の自動販売機については「まだ対応できていない」という。メーカー次第のため時期は未定で、「しばらくはカウンターでの両替の対応が続きそうです」と話す。 54台の路線バスを運行する松江市交通局では、新旧両紙幣に対応する運賃箱の設置作業を2日までに終える予定だ。また、一畑バスも6月中に、運賃箱を設置している全ての路線バスで付け替え作業を終えたとしている。
一方、日銀松江支店の大関雄資支店長(52)は1日に開いた記者会見で、「新紙幣がまだ自動販売機などで十分に対応できない点がある」と指摘。その上で「古い紙幣は使えない」などとする詐欺被害への警戒を呼びかけた。 県警は1日にX(旧ツイッター)の公式アカウントで、新紙幣の見本画像とともに「旧札使えなくなりますは詐欺です」などとする情報を発信した。
県警によると、詐欺グループが金融機関や公的機関などを名乗り、「旧札が使えなくなるので交換・回収します」や「新紙幣がATM(現金自動預け払い機)で使用できるか調査している」などと電話をかけてくる可能性があるという。 生活安全企画課安全まちづくり推進室の松本光広室長補佐(48)は「旧札は3日以降も使えるので、『旧紙幣が使えない』などの電話があれば詐欺を疑い、警察に相談してほしい」と話した。